2024.05.18
天井に傾斜をつけた勾配天井は、開放的でおしゃれな空間を演出でき、ぜひ取り入れたいと思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、天井が高くなる分、「照明選びが難しい」と感じる方もいるようです。
そこで今回の記事では、勾配天井での照明の選び方について解説します。
勾配天井を採用するうえでのメリット・デメリットについてもご紹介しますので、「これから家を建てたい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
勾配天井とは、片流れ屋根や切妻屋根などの形状を活かし、室内の天井に傾斜をつけることをいいます。
多くは平屋や、2階リビングや居室、上に2階部分がない1階などで採用されます。
室内を開放的に見せるほか、構造の梁をあえて表に出すなど、デザインの幅が広いのも特徴です。
勾配天井は天井が傾斜していることから、もっとも高い位置にあたる上部に空間ができ、開放感を演出できます。
通常よりも高い位置に窓を設置できるため、外からの光を効率よく取り入れられます。
天井の高さや構造を活かして、梁を見せる、シーリングファンを設置するなど、インテリア性を高めることも可能です。
また小屋裏のスペースを活かして、ロフトや収納場所としても活用できます。
勾配天井にはメリットがある一方で、以下のようなデメリットが挙げられます。
勾配天井は屋根を傾斜にする分、材料費や施工費がかかる場合があります。
勾配天井は間取りや外観にも影響しますので、間取りを決定する前に、費用がどれくらいかをしっかり確認しておきましょう。
また勾配天井は空間が縦方向に広がるため、たとえば温かい空気は上へ、冷たい空気は下へいくため、夏は上部に熱がこもりやすく、冬は足元が冷えやすくなります。
快適に過ごすには、空気の循環をよくする工夫が必要です。
さらに天井が高くなれば、掃除をするのにもはしごが必要になり、少し面倒に感じるかもしれません。
また傾斜した天井は照明の光がまっすぐ下に届きにくく、夜になると室内が暗く感じやすいというデメリットも。
ほかにも、「希望の照明が設置できない」「梁がある場合に設置場所に迷う」など、照明選びに苦戦してしまうケースが多いようです。
勾配天井は照明計画も重要なポイントです。
しかし勾配天井は照明の光が届きにくい、梁が邪魔になる、設置できる照明が限定される、などのデメリットがあります。
そこでここでは、勾配天井に適した照明器具を4つご紹介します。
ぜひ照明選びのヒントとして、お役立てください。
シーリングライトは多くの住宅に取り入れられている照明であり、一般的には天井に張り付くような形状になっています。
照明ムラが少なく、部屋全体をまんべんなく明るく照らせるのが特徴です。
しかし通常のシーリングライトを勾配天井に取り付けると、照明の重みで、ソケット部分(引掛けシーリング)に無理な力がかかってしまいます。
そこで、勾配天井には傾斜天井用の照明を選ぶのがおすすめです。
ソケット部分と照明器具との設置面を増やすことで、重みでかかる力を均等に分散し、天井や照明器具への負担を少なくできます。
ダウンライトは天井に埋め込むタイプの照明器具で、複数のダウンライトを用いて照らします。
天井面はすっきりとし、また配列を自由に決められるのが特徴です。
器具が露出していないため、ほかの照明器具に比べて掃除の手間が少ないのもメリットといえるでしょう。
大きさや種類も豊富で、代表的なものでは以下のようなものがあります。
拡散タイプ | 光を拡散させ広範囲を明るくする。部屋全体を柔らかい光で明るくするイメージ。 部屋の隅など、主照明だけでは届きにくい場所に配置する場合が多い。 |
集光タイプ | 光を集めてピンポイントで照らす。部屋の明るさにメリハリをつけたいときに配置する。 多くはリビングテーブルやダイニングテーブルなど、手元を明るく照らしたい場所に利用する。 |
ほかにも、スポットライトのようにライトの角度を調整できるものや、シーリングライトと同様、ダウンライトも傾斜天井用のものもあります。
ダウンライトの本体は、器具とランプが一体化した固定型と、ランプ交換が可能な器具とランプが分離した交換型があり、固定型の場合はランプの寿命とともに器具全体を取り替えます。
ペンダントライトとは、天井から照明をぶら下げたもので、そのデザインが豊富なのが特徴です。
またペンダントライトは、コードの長さを調整して床に近づけられるので、光がより届きやすくなります。
部屋全体を照らす主照明として使うほか、ダイニングテーブルの上や、オープンキッチンの上部に設置して、手元を照らす手元灯としても使えます。
またダクトレールを使えば、ライトの位置をスライドして移動させることも可能です。
スポットライトは壁や天井に設置でき、照明の角度を調整できる照明器具です。
ピンポイントで照らして使うほか、壁や天井を照らして間接照明のように使うこともあります。
またペンダントライトのようにダクトレールを用いれば、器具の移動が可能です。
勾配天井の場合、梁に取り付けることもよくあります。
天井面が高くなり開放的な空間がつくれる勾配天井ですが、照明選びに失敗してしまうと不便さを感じてしまうかもしれません。
勾配天井でも部屋が暗くならずにすむにはどうすればいいのでしょうか。
そこでここでは照明を計画するにあたって、失敗しないコツを2つご紹介します。
勾配天井は天井が傾斜しているため、どうしても光が下方向に届きにくくなります。
そこで主照明だけでなく、複数の照明を使って照度を確保するのがおすすめです。以下はその一例です。
また壁に取り付けるブラケット灯や、床において使うスタンドライトやフットライトなども併用し、必要な箇所に明りを補うようにすると良いでしょう。
複数の照明を設置するなら、スイッチの配線もよく検討しておくことをおすすめします。
たとえば、「主照明だけ点灯するもの」「補助灯が点灯するもの」「全照明が点灯するもの」など使い分けができるとよいでしょう。
またスイッチには一か所でオン・オフの切り替えができる「片切スイッチ」、2か所の場所から切り替えができる「3路スイッチ」などがあります。
2か所以上の出入り口がある場合は、どちら方向からも入り切りができる3路・4路スイッチがおすすめです。
一方で、動線が一方向の場合は片切スイッチにするなど、用途に合わせておくとよいでしょう。
照明選びには、空間を多彩な演出で見せるセンスや、部屋の広さに応じた照度の知識などが必要です。
照明計画はSNSやショールームでイメージを膨らませたうえで、専門家にイメージを伝え、プロの視点でのアドバイスを参考にしながら作っていくとよいでしょう。
温度差が生じやすい勾配天井のある室内は、空気の循環を良くすれば、快適に過ごせ、なおかつエアコン効率もあげることができます。
そこでおすすめしたいのが、プロペラの形状をしたシーリングファンです。
天井に取り付けるシーリングファンなら、部屋全体の空気を効率よく循環できます。
またインテリアとしても映えるので、せっかくならぜひ取り入れてみましょう。
グッドリビングではこれまでに15,000棟以上の施工実績を積んできました。
そこで数ある実例の中から、勾配天井のある家の事例をご紹介します。
夫婦2人、老後の生活に備えて建てられた、コンパクトな平屋の実例です。
限りあるスペースの中でも、お施主様のこだわりをしっかりと詰め込んだ住まい。
外観は木目を取り入れたデザインで、モダンな印象のなかにも温かみがありますね。
勾配天井を採用したリビングは、抜け感ができ、あかるく開放感のある空間に。
落ち着いた色合いのインテリアと、ポイントとして取り入れているブルーのファブリックが、さわやかで大人な雰囲気になっています。
右手は小上がりの畳コーナーになっており、照明にはインテリアに合わせたペンダントが設置されています。
リビング側から見たキッチンの手前には、ひときわ目を引くブルーの腰壁とカウンターが。
対話しながら、食事の時間をゆったりと楽しめるつくりとなっています。
壁に設置されたスポットライトは、角度を調整して、テーブルや天井を照らす役割に。
キッチンはインダストリアル的な雰囲気が漂う、クールで落ち着いた空間に。
色が統一されていることで、まとまり感があり、すっきりとした印象になっています。
見せる収納と隠す収納を使い分けて、機能的でありながら生活感を感じさせないのも、お施主様のセンスを感じますね。
今回の記事では、勾配天井での照明の選び方について解説しました。
勾配天井は限られたスペースの中でも、外からの光を効率よく取り入れ、開放感を演出できますが、天井が傾斜している分、照明選びで失敗しやすいというデメリットがあります。
失敗を防ぐには、
をポイントとして押さえておきましょう。
勾配天井は開放的なつくりから、「こだわりの照明をアクセントに使う」「梁を見せる」「シーリングを設置させる」など、おしゃれな空間にできる要素がたくさんあります。
それらの魅力を活かすなら、ご自身のイメージを形にし、専門的な知識でサポートできる、家づくりのパートナーがいると安心です。
グッドリビングは、お客さまがイメージする暮らし方を丁寧にヒアリングし、それを形にしていく過程を大切にしています。
そのためグッドリビングには、お客様のご要望にお応えできるよう、ご予算・ライフスタイル・目的にあわせた豊富なプランがあります。
なかでもグッドリビングの完全自由設計「TATTA!」は、なんとワンプライスで理想の家を実現できるのが特徴です。
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気になる方はぜひお近くのモデルハウスへ、お気軽にご予約・お問い合わせください。