2024.03.19
子育てを中心に間取りを考えて建てた、いま住んでいる家も、
「将来夫婦二人になったとき大きな家だと管理が大変」と考える人は多いのではないでしょうか。
「住み替えやリフォームをするなら、できるだけコンパクトな家がいいけれど、どれくらいの広さが必要なの?」
とお悩みの方もいると思います。
そこで今回は、夫婦二人が快適に暮らせる広さである、「20坪2LDKの平屋」を解説します。
老後も安心して暮らせて、さらにおしゃれな家にするポイントもご紹介しますので、ぜひ家づくりの参考にしてくださいね。
目次
夫婦二人で平屋の家に住むには、どのくらいの広さが必要なのでしょうか。
住宅の広さの目安としては、厚生労働省が「住生活基本計画」の中で示した「誘導居住面積水準」を参考にすると良いでしょう。
豊かな住生活の実現の前提として、多様なライフスタイルを想定した場合に必要と考えられる、住宅の面積を示したもので、以下のように、地域や世帯人数別で提示されています。
誘導居住面積水準
単身 | 2人 | 3人 | |
---|---|---|---|
一般型誘導居住面積水準 | 55㎡(16.6坪) | 75㎡(22.6坪) | 87.5~100㎡(26.4~30坪) |
都市居住型誘導居住面積水準 | 40㎡(12.1坪) | 55㎡(16.6坪) | 65~75㎡(19.6~22.6坪) |
つまり、2人暮らしの場合、20坪前後の平屋であれば、十分な広さといえます。
またシニア世代のご夫婦であれば、間取りは2LDKがおすすめです。
2LDKとは、リビングとダイニングキッチンが同じ空間にあり、他に2部屋ある間取りのことをいいます。
20坪前後なら、3LDKにすることも可能ですが、部屋数が多いと掃除や管理が大変になることも。
2LDKなら、各部屋や収納スペースの広さを、余裕をもってプランニングできます。
また、ゆったりとした間取りはバリアフリー設計にも向いているため、将来に備えた間取りといえるでしょう。
年齢を重ねると、若い時のように無理がきかなくなります。部屋から部屋への移動もおっくうになることも。
また部屋数が多いと、物はどうしても増えがちになり、管理がストレスになってきます。
コンパクトな家で、必要最小限のモノだけで暮らすミニマルな暮らしは、シニア世代にとって、実はたくさんのメリットがあります。
では具体的にどのようなメリットがあるのか、一つずつ確認していきましょう。
平屋は広い土地が必要なので、土地探しには時間がかかることも。
しかし20坪前後の平屋なら、狭い土地でも建てられるので、土地の選択肢が広がります。
高齢になれば、病院や駅が近いなど、利便性も重視したいもの。
土地の選択肢が増えれば、人気のエリアでも家を建てることが可能です。
平屋は階段の上り下りがなく、体の負担が少なくすむのが特徴です。
ワンフロアで生活できるので、動線もコンパクトにでき、家事などの移動もラクになります。
また階段がない分、居住スペースが広く取れるので、20坪の広さでもゆったりと過ごせます。
部屋数が多いと、その分の掃除の手間も増え、高齢になってくると大変です。
たとえば掃除機をかける、床の雑巾がけをする、窓ふき、物の片付けなど、部屋の数だけ、掃除の負担は大きくなります。
各部屋にエアコンを設置すれば、エアコンのフィルター掃除も必要になるでしょう。
また部屋が多いと、つい物が増えてしまいがちに。
物の管理が行き届かなくなれば、探し物をあちこち探さなくてはなりません。
少ない部屋数なら、こういった掃除や物の管理の負担は、軽減されます。
20坪2LDKの平屋にすると、以下のような金銭面のメリットがあります。
まず建築費用は、20坪前後であれば、1,000万円前後が相場になっています。
また、家の購入には家本体の価格のほかに、諸経費、外構費、電気や照明などの付帯工事も別途必要になります。
諸経費 | 不動産会社・融資の手数料、登記費用、火災保険料など |
外構費 | 駐車場やアプローチなど工事費 |
その他 | 電気・水道の引き込み工事や、照明やカーテン、家具家電など購入費用 |
これらの費用は、500~1,000万円程かかりますので、心配な方は建物をコンパクトにして、コストダウンしておくと安心です。
購入した土地の状況によっては、地盤改良や残土処理、造成費、既存建物の解体費用などが必要な場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
また、家が大きく複雑な構造であればあるほど、光熱費やメンテナンス費用もかかります。
建物がコンパクトであれば、それらの費用を抑えられますし、さらには住宅にかかる税金も安くなるというメリットも。
固定資産税や不動産取得税は、建築コストがかかるほど高くなるので、建物がシンプルな構造で、建築コストを抑えれば、支払う税金も安くなります。
平屋は段差がないので、バリアフリー設計にも向いています。
さらに廊下などを省き、リビングを中心とした間取りにできれば、車いすでの移動がしやすくなります。
各部屋が隣接しているため、家族間の距離も自然と近くなり、コミュニケーションが取りやすくなるのも特徴です。
コミュニケーションが増えれば、家族の異変にも気づきやすくなります。
もし家族に何かあった場合でも、すぐに対応できる間取りなら安心ですね。
20坪2LDK平屋は、そのフラットでコンパクトな間取りから、メリットもありましたが、もちろんデメリットもあります。
詳しく解説していきますので、対策案もふまえて、しっかりとおさえておきましょう。
平屋は二階建てよりも、以下のように、音が伝わりやすいといわれています。
生活の中心となるリビングでは、テレビの音や、料理や掃除の際の生活音が生じます。
その音が、壁や空気をつたい、居室にいても聞こえてしまうのです。
対応策としては、リビング側に収納をつくる、壁の内部に防音性の高い緩衝材を入れるなど、音が伝わりにくくするとよいでしょう。
また平屋は、屋根に面している部分が多いため、雨音・風音などが気になることも。
その場合は、天井高を高くする、音が伝わりにくい屋根材を使うなど、対策しておくとよいでしょう。
金属材のガルバリウム鋼板は、瓦屋根よりも軽量で、屋根材の主流となっていますが、剛性が高い反面、振動しやすくなります。
ガルバリウム鋼板を検討する場合は、振動を吸収してくれる制振材を裏打ちしておくと、振動が抑えられ、防音効果は高まります。
平屋を建てるなら、家の周りに2階建ての家が密集してないか、高い建物がないかを確認する必要があります。
なぜなら、周辺の環境によっては「日当たりが悪い」「風通しが悪い」などの原因になってしまうからです。
対策としては、窓の高さを工夫するのがおすすめです。
高い位置に窓を設ければ、上から入ってくる光を取り入れやすくなり、部屋全体があかるくなります。
たとえば、屋根に設けられた天窓は、日あたりが悪い場所でも、光を部屋いっぱいに取り込むことができます。
また天井高を高くすれば、窓の高さも高くでき、開放的で明るい空間になります。
実際に住んでみると、思っていたより物が増え、収納スペースを確保できない、というケースもあります。
建ててから後悔しないように、必要箇所に収納を設け、収納量はどれくらいかをよく検討しておくことがおすすめです。
物が増えてしまっては、後々に管理が大変になりますので、それ以上は物を増やさないよう、意識しておくことも大切。
収納量の目安としては、延べ面積に対し15%前後といわれています。
20坪(約69㎡)の場合、最適な収納スペースは、約10㎡です。
玄関、リビング、キッチン(食品庫)、寝室(クローゼット)など、どこにどれくらいの収納量が必要か、事前にシミュレーションしておきましょう。
平屋のデメリットとしては、外部に接している面が多いため、空き巣に狙われやすいという点もあげられます。
窓からの侵入は、戸建て住宅において、もっとも多い、空き巣の侵入経路といわれています。
外部から中の様子がわからないよう工夫することや、音や点灯で警戒させるなど、対策しておくことが大切です。
室内の防犯 | 外部の防犯 |
---|---|
防犯ブザー(窓用) | 防犯カメラ |
防犯ガラス | 砂利 |
照明を点灯しておく (不在時を悟られないため) | 植栽 |
ミラーレースカーテン (特殊加工により、外から中の様子が見えにくい) | センサーライト (人の動きに反応し点灯) |
シニアライフは健康で、なおかつ楽しく過ごしたいものですよね。
そこで快適な住空間を確保しつつ、趣味や家族との時間を楽しめる、おしゃれな家づくりのポイントをご紹介します。
リビングから外に行き来できるウッドデッキは、気軽に自然を感じられます。
ガーデニングや家庭菜園などの、趣味の場としても最適です。
植物と触れ合う時間は、なにより癒しのひとときとなりますよね。
またテーブルとイスをおけば、憩いの場となるアウトドアリビングにも。
晴れた日に、夫婦で食事を楽しむ時間や、一人でゆっくり読書する時間など、楽しみ方は多種多様です。
また機能性の面では、洗濯物を干すスペースとしても利用できます。
リビングに面しているため、すぐに室内へ洗濯物を取り込めるので、急な雨でも安心です。
天井を高くする吹抜けや勾配天井は、視界が広がり、開放感が生まれます。
また背の高い大きな窓や、天井に近い位置に窓を設置できます。
上から入る光の面積が大きくなるので、お部屋の隅々まで光が届き、あかるくなります。
吹抜けにする場合は、空気の循環を良くする工夫を取り入れると、エアコンの効率も良くなります。
天井に設置するシーリングファンや、サーキュレーターを用意しておくとよいでしょう。
高齢になると、室内環境によって健康状態が悪化しやすくなります。
夏はじめじめとした湿気により、カビの発生が気になりますね。
冬は乾燥し、風邪など体調を崩しやすくなることも。
室内の壁クロスには、室内環境を整える機能性を持ったものがあります。
吸放湿壁紙 | 湿度を調整してくれる壁紙。 湿気を吸収、乾燥時には、水分を放出し、室内の湿度を調整 |
通気性壁紙 | 壁紙自体が透湿性の高い構造になっているので 結露・カビの発生を低減。 |
珪藻土壁紙 | 自然素材の風合いをいかし、機能性壁紙の中で もっとも調湿性に優れている。消臭効果もあり。 |
機能性のある壁紙を採用すれば、自然に快適な環境を維持できます。
通気性・調湿性以外にも、室内環境は高齢者にとって、体への影響が大きいもの。
たとえば、室内と外気との温度差があると、体に大きな負担がかかるため、家の断熱性やエアコンの性能は高いものを選ぶようにしましょう。
この記事では、夫婦二人が快適に暮らせる「20坪2LDKの平屋」について解説しました。
間取りをコンパクトにすると、家事や家の管理などの負担が少ない、ミニマルな暮らしが実現できます。
また税金を含め、建築・メンテナンス費用や光熱費も抑えられるという、メリットもありました。
これから先のシニアライフを、健康で快適に過ごすためにも、室内環境は良くしておきたいもの。
今回ご紹介した内容も参考に、家づくりのポイントとして、ぜひともおさえておきましょう。
グッドリビングは、「いい家を、より安く」をコンセプトに、静岡県・愛知県・神奈川県・岐阜県で40年以上、家づくりを行ってきました。
その実績を活かして、経験豊富なスタッフが、土地選びからローンのシミュレーションまで、家づくりのお手伝いをいたします。
平屋や二階建てなど、ライフスタイルや予算にあわせたプランもご用意しております。
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