2024.02.27
フラットな生活動線や耐震性の高さなどのメリットがある「平屋」。
しかし周辺環境に影響されやすく、採光がとりにくいというデメリットもあります。
そこでおすすめしたいのが中庭です。中庭は、外からの視線を気にせずに、日当たりや風通しの良い快適な家が実現できます。
この記事では中庭をつくる際におすすめな間取りや、実例についてご紹介します。
またおしゃれな中庭にするコツや、後悔しないための注意点も解説しますので、平屋や中庭をご検討中の方はぜひ、ご参考ください。
目次
中庭とは建物に囲われた庭のことをいいます。
種類は大きく分けて、3タイプがあります。
L字型の中庭は、中庭の2面が建物に接している形です。
囲われている部分が少ないので、自然光や風が入りやすく、あかるく開放的になります。
また、ほかの型に比べて間取りの制約が少なく、中庭を広くとることができます。
コの字型の中庭は、中庭の三方が建物に囲まれている形です。
外に接している面が多いため、建物にまんべんなく自然光や風が入りやすくなります。
また間取りによっては、どの部屋からも中庭へ行き来できるのもメリット。
しかし壁に囲まれているため、中庭の大きさが狭くなってしまうことも。
ロの字型の中庭は、四方が建物に囲まれている形です。
コの字型と同様に、外に接している面が多いため、建物全体で採光・通風がしやすくなります。
また壁に囲まれているので、プライバシーを確保できます。
しかし中庭を沿うように移動しなければならないため、必然的に動線が長くなってしまうことも。
また、ロの字型は広い面積が必要であったり、排水工事などの建築コストが高くなる場合もあります。
実は平屋と中庭を組み合わせた間取りは、快適な住まいを実現するために、相性が抜群といえます。
そこで、ここでは中庭のメリットを解説していきましょう。
平屋はワンフロアになっているので、日が当たらない部屋がどうしてもできてしまいがちです。
中庭があると、その平屋のデメリットである、採光性の低さをカバーできます。
外部に接した部屋を作ることで、日の入る場所が増え、建物全体があかるく暖かみのある空間になります。
平屋はワンフロアになっているので、窓が1面しか取れないなど、風通しが悪くなってしまうことも。
しかし中庭を設けると、部屋の窓を増やすことができ、家じゅうの風通しがよくなります。
空気の入れ替えが効率よく行えるので、快適に過ごせます。
中庭があると、家の中からでも、自分が育てた野菜や花々を楽しめるのも魅力。
植物たちの成長や華やかなお庭の風景を、部屋にいながら眺めることができます。
また、異なる季節によって実をつける野菜や植物を組み合わせると、季節の移り変わりも楽しめます。
中庭は壁に囲まれているので、隣家や道路からの視線が気にならずに、お庭で自由に過ごせます。
テーブルを置いて外で食事をしたり、夏は子供とプール遊びを楽しんだりできます。
また平屋の「洗濯物を干す場所が確保しにくい」というデメリットも解消できます。
中庭があれば、人目を気にせず、外にたくさんの洗濯物を干せるのでおすすめです。
平屋と中庭の相性は抜群なのがお分かりいただけたと思いますが、デメリットもあります。
間取りを検討するうえで、デメリットもしっかり理解しておきましょう。
ワンフロアで居住空間が作れる平屋は、シンプルな生活動線をつくりやすいのがメリット。
しかし中庭をつくると、その動線が長くなってしまうことも。
とくに中庭を中心に各部屋が配置される、「コの字型」や「ロの字型」は、注意が必要です。
中庭付きの平屋を建てるには、広めの土地が必要になります。
限られた土地の中で建てる場合、中庭を考慮する分、必然的に居住スペースが狭くなることも。
また中庭を設ける位置によって窓の配置も決まるので、どこにどの部屋を置くか、よく検討しておきましょう。
中庭は自然を身近に楽しめるのが魅力ですが、外に接しているので、どうしても虫が入りやすくなります。
網戸を活用したり、虫よけを置いたり、工夫はできますが、それでも虫の侵入は防ぎきれないことも。
虫が入ってきたときの対策などは、念のために考慮しておきましょう。
中庭をつくるために、気になるのが費用面。
中庭をつくる場合、以下のような建築コストがかかります。
中庭を作ろうとすると、中庭を囲うための壁が増えます。つまり、柱やコーナー材、外壁や屋根、窓が増え、その分の建築コストがかかります。
また構造が複雑になると、耐震性を高めるための耐震工事が必要です。
そして中庭は水はけが悪いと、床下浸水することもあるので、排水工事は必ずしておきましょう。
とくに「ロの字型」は壁に囲まれているため、排水を詰まらせると、工事が大掛かりになることも。
また管理維持が困難とみなされると、長期優良住宅の基準から外れてしまうこともあるので、設計士とよく打ち合わせしておきましょう。
ここでは、おしゃれで機能的な中庭をつくるコツをご紹介します。
シンボルツリーとはその家の象徴となる木のこと。
何かの記念や、新築を建てる際に植える人が多いです。
家族とともに成長し、長い付き合いとなるので、お庭にぴったりの一本を検討するのがよいでしょう。
中庭は吹きだまりとなり、落ち葉が舞いやすいので、葉が落ちにくい、シマトネリコやオリーブなどがおすすめです。
中庭に照明をつけると、昼間とは違った雰囲気のお庭を楽しめます。
また防犯にもつながるので、おすすめです。
また照明を選ぶ際には、虫が寄り付きにくい「LED照明」をえらびましょう。
電球色を選ぶと、あたたかみのある雰囲気を演出できますよ。
デッキ部分を室内の床と同じ高さにすると、部屋と中庭の行き来がしやすくなります。
また部屋とデッキが一続きになることで、奥行きができ、より広く、開放的に。
屋外で食事や読書を楽しめるなど、アウトドアリビングのような場になります。
中庭をつくる際には気を付けたいポイントも、いくつかあります。
建てた後で後悔しないように、しっかりおさえておきましょう。
中庭があると、中庭にそってまわり道をしなければならず、生活動線は長くなりがちに。
そこで、できるだけコンパクトになるよう、間取りを検討する必要があります。
キッチン、洗面、おふろなどの水回りは、まとまった位置に配置しましょう。
また、玄関先に収納スペースを広めにとっておくのも、おすすめです。
各居室が遠い場合、部屋まで行くのが面倒になってリビングなどが物で散乱しがちになることも。
玄関の近くに収納スペースがあれば、部屋が散らからず活用できます。
生活動線をイメージして、効率的な間取りになるようにしましょう。
窓の配置によっては、外からの視線が部屋の中に届きやすくなってしまいます。
また「コの字型」「ロの字型」の場合、向かい合う部屋での視線が気になることも。
そこで以下のような工夫をとりいれるのがおすすめです。
外構では目隠しとなるよう、フェンスや壁を建てるのがおすすめです。
また植栽は庭の景観の一部として楽しみながら、目隠しとして活用できます。
室内では、ミラーレースカーテンやブラインドをつけるのがおすすめ。
ミラーレースカーテンは日の光は取り入れながら、外からは透けて見えにくい仕組みになっています。また紫外線もカットしてくれます。
ブラインドはスラット(羽根)の開き具合で、入ってくる光の量が調整でき、目隠しにもなります。
視線が気になるときなど、用途に応じて活用しましょう。
中庭は維持管理が、ある程度必要です。
ウッドデッキの場合、塗装の塗り替えが必要になることも。
また雨水の排水口が詰まらないよう、植栽の剪定(せんてい)や落ち葉の掃除はこまめに行いましょう。
ここでは採光を考慮して、家の中央に中庭をもってきた平屋の実例をご紹介します。
中庭を家の中央に持ってくることで、リビング、洗面、寝室から中庭へアクセスしやすい間取りに。
2つの窓をあければ、明るく開放的な空間になります。
また中庭は、洗濯を干すスペースになっていて、人目を気にせずゆったりと干せます。
ナチュラルな雰囲気のタイルデッキは、お手入れもしやすいのが特徴です。
気になる汚れは、ブラシでゴシゴシ掃除すればOK。日々のお手入れで、きれいな中庭を維持できます。
またタイルデッキなら、雑草が生えてくる心配もありません。
今回は平屋で中庭をつくる際に、おすすめな間取りや、実例についてご紹介しました。
中庭を取り入れると、平屋のデメリットであった採光・通風性の低さをカバーできることがわかりました。
また洗濯干しスペースや、ガーデニングなどの趣味スペース、アウトドアリビングなど、機能的でおしゃれな活用法もできます。
動線をコンパクトにまとめること、窓の配置の工夫、維持管理への配慮などを意識しながら、間取りを決めていきましょう。
グッドリビングでは、高品質でありながら、コストパフォーマンスに優れたご提案ができます。
自然を楽しめる中庭付きの平屋にご興味がある方は、ぜひお気軽にグッドリビングまでご相談ください。