COLUMN コラム
南海トラフ地震のニュースを見るたびに、「静岡に住んでいて本当に大丈夫なの?」と不安を感じていませんか。
地震や津波に関する情報は数多く発信されていますが、内容が断片的で、何を信じてどのように備えればよいのか分からないという声も少なくありません。特に南海トラフに関する臨時情報が出た際は、避難の必要性や次に取るべき行動を冷静に判断することが求められます。正しい情報を知らなければ、必要以上に不安を抱いたり、逆に備えが遅れてしまったりする可能性もあるでしょう。
この記事では、南海トラフ地震によって静岡県に想定される地震・津波のリスクを整理し、臨時情報の意味を分かりやすく解説します。防災対策についても暮らし目線で取り組める方法についても紹介するので、ぜひこのまま読み進めてください。
南海トラフ地震とは?静岡で特に警戒される理由

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南海トラフ地震は、いつ起きてもおかしくないといわれる巨大地震です。静岡県が公表した第4次地震被害想定によると、南海トラフ巨大地震が発生した場合、県内では最大で約26万棟の建物が全壊し、建物倒壊による死者は約16,000人(うち津波による死者は約9,000人)にのぼる可能性があるとされています。
南海トラフ地震の仕組みと特徴

地震本部「南海トラフで発生する地震」より引用
南海トラフ地震は、海側の「フィリピン海プレート」と陸側の「ユーラシアプレート」の境界が連なっている場所を「南海トラフ」と呼び、静岡県沖から四国沖、九州沖にかけて細長く続いているのが特徴です。
海側のプレートが陸側の下に沈み込むことで地下にひずみがたまり、その力が限界に達して一気にずれ動いた時に、巨大地震が起きると考えられています。
南海トラフ沿いでは、過去にも繰り返し大規模な地震が発生してきました。1944年の昭和東南海地震や1946年の昭和南海地震は、その代表的な事例です。それ以前にもおおむね50年から150年ほどの間隔で同様の地震が起きていることが分かっています。
こうした歴史的な記録や観測データをもとに、国や内閣府は「将来も同様の地震が発生する可能性が高い」と公表しています。
なぜ静岡県で被害が大きくなりやすいとされるのか
静岡県は南海トラフの東端に位置し、震源域に比較的近い位置にあり、地震発生時には強い揺れを受けやすい地域とされています。また、静岡県は駿河湾や遠州灘といった海に面した地域が多く、沿岸部では津波の影響を受ける恐れもあります。
一方で、内陸部だからといって安心できるわけではありません。静岡県内には天竜川をはじめとする大きな河川が流れており、地震に伴う堤防の損傷や津波による洪水が起きる可能性も否定できません。
さらに、東名高速道路や新東名高速道路、東海道新幹線などは、沿岸に近い区間を通る場所もあり、長時間の通行止めや運休になるなる可能性が高いです。そうなれば、主要な輸送ルートが寸断され、被災地へ向かう救援部隊や支援物資の到着が遅れることも予想されるでしょう。
静岡県で想定されている地震・津波の被害とは

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南海トラフ地震について調べていると、「被害想定」「震度」「津波」という言葉が多く出てきて、かえって不安が大きくなることもありますよね。
ここでは、静岡県で想定されている地震や津波の規模、注意したいエリアについて解説します。
想定される地震規模と揺れの強さ

防災科学技術研究所「J-SHIS Map」より抜粋:2024年(NIED作成版)によると30年で震度6以上の地震が起こる可能性を示している。静岡県の発生率は100パーセント。
南海トラフ巨大地震では、マグニチュード8〜9クラスの非常に大きな地震が想定されています。これは、阪神・淡路大震災(M7.3)や東日本大震災(M9.0)と同等、あるいはそれ以上の規模の大きさです。

静岡県では、地域によって震度6強〜7の揺れが想定されています。特に被害が大きくなりやすいとされているのが、静岡市・焼津市・藤枝市・浜松市沿岸部など、震源域に近く軟弱な地盤が分布する地域です。
こうしたエリアでは、揺れが増幅されやすく、建物被害やライフラインへの影響が広がる可能性があります。
津波の影響が考えられるエリア

ハザードマップポータルサイトより抜粋:静岡県内陸・沿岸部の洪水・津波を示したもの。駿河湾沿岸や遠州灘沿岸は10メートル前後の津波が想定されている。
南海トラフ地震が発生した場合、静岡県では地震の揺れに続いて津波への警戒が必要になるエリアがあります。特に注意したいのが、駿河湾沿岸や遠州灘に面した地域です。静岡市、清水区、焼津市、牧之原市、浜松市南部などは、津波の浸水が想定されているエリアとして知られています。
内陸に住んでいる場合でも、河川を津波がさかのぼる「河川遡上」によって、川沿いの地域で浸水が起こる可能性があります。自宅や通園・通学ルートが、海や大きな川に近い場合は、津波浸水想定エリアを事前に確認しておきましょう。
建物・ライフラインへの影響
南海トラフ地震が発生した場合、静岡県の都市部を中心に建物やライフラインへ大きな影響が出ると考えられます。特に人口が集中する静岡市や浜松市では、住宅やマンション、商業施設が密集しているため、揺れによる建物被害が広範囲に及ぶ可能性があるでしょう。
また大きな揺れにより、停電・断水・ガスの供給停止なども起こり得ます。都市部ほど復旧に人手や時間がかかる場合もあり、元通り生活になるまで数日以上かかる点も理解しておくことが大切です。
交通網への影響としては、東海道新幹線、JR東海道線、東名高速道路・新東名高速道路など、静岡県を東西に貫く主要な交通インフラが被災するおそれがあります。これらは沿岸部や河川沿いを通る区間も多く、長期間の運休・通行止めにつながる可能性が高いでしょう。
【静岡県の鉄道路線への影響】
- 東海道新幹線
- JR東海道本線
- JR伊東線・JR御殿場線
- 静岡鉄道(静鉄)
- 遠州鉄道
【静岡県の道路への影響】
- 東名高速道路
- 新東名高速道路
- 国道1号線
- 国道150号線(駿河湾沿岸)
- 国道42号線(遠州灘沿岸
南海トラフ地震「臨時情報」とは?

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ニュースや防災情報で見かける「南海トラフ地震臨時情報」ですが、「出たらすぐ避難?」と戸惑う人も多いかもしれません。特に震源地が近いとされる静岡県では、臨時情報の意味を正しく理解しておくことが安心につながります。
ここでは、臨時情報がどんなときに出され、どのように行動すればよいのかを確認していきましょう。
臨時情報はどんな時に発表されるのか
南海トラフ地震に関する「臨時情報」は、巨大地震が発生する可能性が通常より高まったと判断された時に、気象庁から発表される情報です。
具体的には、南海トラフ沿いで大きな地震が発生した場合や、プレートの動きに通常とは異なる変化が観測された時などに、専門家による評価を経て発表されます。情報は段階的に示され、「調査中」「巨大地震警戒」等の表現で現在の状況が伝えられる仕組みです。

内閣(防災情報)「南海トラフ地震臨時情報が発表されたら!」より引用
臨時情報は、地震が「必ず起きる」という予告ではなく、注意して状況を確認し、備えを見直すための情報として位置づけられています。つまり、数日〜数週間の中期的なリスクに目を向け、あくまで各家庭や地域が自主的に備えを確認するためのものです。
避難情報のように避難を直接指示するものではありませんが、静岡県を含む津波や強い揺れが想定されている地域では、臨時情報が発表された段階から高い警戒と備えが求められるでしょう。
臨時情報が出た時に取るべき対応
南海トラフ地震臨時情報が発表され、まずやるべきことは日常生活を続けながら備えを一段階引き上げることです。家具の固定状況や非常持ち出し袋の中身、飲料水・食料の備蓄量などを改めて点検し、家族で安否確認方法や集合場所を共有しておきましょう。
また、津波や土砂災害のリスクが高い地域に住んでいる場合は、ハザードマップを再確認し、避難経路や避難先を具体的にイメージしておいてください。
避難時の行動や用意しておきたい備蓄品については、次の項目でさらに詳しく紹介します。
南海トラフ地震に備えるための防災対策【静岡版】

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共働きや子育て中の家庭では、「もし平日の日中だったら?」「子どもと一緒に避難できる?」と、不安を感じる場面も多いのではないでしょうか。
「防災対策が大切なのは分かっているけれど、何から始めればいいのか分からない」という方のために、ここでは無理なく取り入れやすい地震・津波への備えや具体的な行動について紹介します。
地震・津波発生時に取るべき行動
地震が起きた場合
地震が発生した直後は、まず身の安全を最優先に行動することが重要です。室内では、倒れてくる家具や落下物から頭を守り、揺れが収まるまで無理に移動せず安全な場所で待ちます。
揺れが落ち着いたら、ガスの元栓を閉める、ブレーカーを落とすなど、火災を防ぐ行動を取りましょう。
津波が想定される場合
沿岸部や津波の影響が想定される地域では、揺れを感じた時点で「津波が来るかもしれない」と考え、避難情報を待たずに高台や指定された津波避難場所へ速やかに移動することが大切です。早い地域では地震発生から数分〜10分程度で津波が到達する可能性があるとされています。
また、津波は第1波だけが危険とは限らない点にも注意が必要です。後から来る津波の方が高くなるケースもあり、警報や注意報が解除されるまで、むやみに沿岸部へ戻らないでください。
子どもが学校や保育園にいる時
地震発生時に子どもが学校や保育園にいる場合、保護者がすぐに迎えに行くことが最善とは限りません。通学路の被害や津波の恐れがある中での無理な移動は、かえって危険を高める可能性があります。
混乱を避けるためにも、まずは学校や自治体からの連絡を待ち、指示に従うことが重要です。多くの学校や保育施設では、児童・園児を安全に保護し、引き渡しのルールを定めています。日頃から引き渡し方法や連絡手段を確認しておくようにしましょう
事前に備えておきたい準備リスト
南海トラフ地震に備えるうえで大切なのは、特別なことを一度に完璧にそろえることではなく、「今できる備え」を少しずつ積み重ねていくことです。まず見直したいのが、家具の固定や配置です。背の高い家具は転倒防止器具で固定し、寝室や子どものそばに倒れやすい物を置かないようにしましょう。
【事前に備えておきたい準備リスト】
- 家具や家電の転倒・落下防止対策を行う
- 非常用持ち出し袋を準備し、すぐ持ち出せる場所に置く
- 数日分の水・食料を備蓄する
- 避難場所・避難経路を家族で確認しておく
- 自宅周辺の危険箇所を把握しておく
次に、非常用持ち出し袋と備蓄品の準備です。飲料水や非常食は最低でも3日分、可能であれば1週間分を目安に用意します。小さな子どもがいる家庭では、ミルクやおむつ、常備薬なども忘れずに用意しておきましょう。
【非常用持ち物チェックリスト】
| 基本の必需品 | 衛生・生活用品 | 子どもがいる家庭向け | あると安心なもの |
|---|---|---|---|
| ▢ 飲料水(500ml×人数分) ▢非常食(アルファ米・缶詰・栄養補助食品など) ▢ 懐中電灯/ヘッドライト ▢ モバイルバッテリー・充電ケーブル ▢携帯ラジオ ▢現金(小銭含む) ▢身分証のコピー・保険証のコピー ▢マスク ▢軍手 ▢タオル ▢ウェットティッシュ ▢ポリ袋・ゴミ袋 ▢アルミブランケット | ▢ティッシュペーパー ▢トイレットペーパー ▢歯ブラシ・歯磨きシート ▢消毒用アルコール ▢ 生理用品 ▢簡易トイレ | ▢紙おむつ/おしりふき ▢ミルク・哺乳瓶・液体ミルク ▢離乳食・子ども用非常食 ▢着替え(下着含む) ▢子どもの常備薬 ▢抱っこひも ▢お気に入りのおもちゃ・絵本(1つ) | ▢防寒具・レインコート ▢使い捨てカイロ ▢メモ帳・ペン ▢ ホイッスル ▢ガムテープ ▢ビニール手袋 |
地震発生後、静岡県の暮らしはどう立て直される?復旧体制と地域の連携

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大きな地震が起きた後の生活については、「どのくらいで元に戻るの?」「子どもの学校はどうなる?」といった不安を抱きがちです。
静岡県では、ライフラインの復旧や避難生活を支える体制づくりが進められています。ここでは、地震発生後の復旧の流れや、地域で支え合う仕組みについてまとめました。
静岡県のライフラインとインフラの復旧体制
南海トラフ地震のような大規模な地震が発生した場合、静岡県内では電気・水道・ガス・通信といったライフラインが広い範囲で停止する可能性があります。復旧にかかる時間は被害の規模や地域によって異なりますが、停電は数日〜1週間程度、断水やガスの復旧には数週間以上かかることも。
また、人命や生活への影響が大きい場所から段階的に進められるので、医療機関や避難所など、命に直結する施設を優先的に、住宅地や商業エリアへと復旧範囲が広がっていきます。「すぐに元通りになる」と考えず、一定期間はライフラインが使えない状況を前提に備えておきましょう。
静岡県の地域コミュニティと避難・支援体制
静岡県では、南海トラフ地震の発生を想定し、地域コミュニティを中心とした避難・支援体制の整備が進められています。例えば、高齢者や障がいのある人、乳幼児など避難時に配慮が必要な人を対象とした避難計画の作成や避難訓練の実施もその一つです。
また、自治体は国の「南海トラフ地震における具体的な応急対策活動に関する計画」をもとに、県内外からの医療支援や物資供給、避難所運営などを円滑に進めるための体制も整えられています。沿岸部では高台まで逃げる時間が限られていることを想定し、津波避難ビルや防潮堤整備事業も積極的に進められています。
LINEによる地域の防災情報配信や静岡県総合防災アプリでは、地震や津波警報の発表時にスマートフォンで最新情報を確認でき、子育て世帯にとって大きな安心につながるはずです。
これらの仕組みはただ知っているだけでなく、いざという時のために事前に確認して使い方をイメージしておきましょう。

避難所やハザードマップの確認、避難時に役立つ情報が確認できる
静岡県でこれから土地探し・家づくりを考える人へ

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これから土地探しや家づくりを考えている人にとって、地震への不安は無視できないポイントです。便利さや価格だけでなく、どんな災害リスクが想定されるかも知っておく必要があります。
ここでは、静岡で住まいを選ぶ際に知っておきたい土地選びの視点や家づくりのポイントについて解説していきます。
静岡での土地選びで意識したい視点
静岡で土地探しを進める際は、価格や立地の利便性だけでなく、津波・洪水・液状化といった災害リスクを事前に把握することが大切です。そのために役立つのが、自治体が公表しているハザードマップと、国が運営する重ねるハザードマップです。
まず、自治体のハザードマップでは、津波の浸水想定区域や洪水時の浸水深、避難場所の位置などを細かく確認できます。沿岸部では「津波が到達する可能性があるか」「最寄りの津波避難ビルや高台まで何分かかるか」を具体的に見ておいてください。また、内陸部でも大きな河川沿いでは洪水や内水氾濫の想定が示されているため、「浸水の深さ」「長時間水が引かない地域か」といった点にも目を向けましょう。
あわせて国の重ねるハザードマップを使うと、津波・洪水・土砂災害・液状化のリスクを一度に重ねて確認できます。複数のリスクが重なる場所かどうかを把握できるので、土地選びの参考になるはずです。
家づくりで考えたい耐震性能
静岡県で家を建てる場合、単に「倒れない家」ではなく、繰り返す揺れの中でも家族の命と暮らしを守れる構造かどうかが重要な判断軸となります。そのためには、建物全体で力を受け止める耐震性能に加え、余震によるダメージを抑える制震性、災害後も住み続けられる安心感まで含めて検討することが大切です。
こうした考え方を踏まえ、グッドリビングの住まいでは建築基準法レベルの1.5倍の強度を持つ耐震等級3を標準とし、耐力面材や高精度金物、28mm剛床工法、べた基礎による強靭な構造を採用しています。
さらに、住友ゴムの制震装置MIRAIE(ミライエ)を設置することで、地震の揺れ幅を最大95%低減※し、余震によるダメージも抑えることが可能です。(※2017年1月京都大学防災研究所でのMIRAIE軸組を使用した実大実験の結果であり、震度7相当の加振2回目の地震波に対する層間変形(揺れ幅)の比較による)
また、万一の際には地震100%建替え保証を用意。災害後の暮らしまで見据えたサポートで、家族の安心が長く続く住まいを支えています。
グッドリビングの「耐震性能」についてはこちら:
住まいの安心「被害は最小限、保証は最大限」を当たり前に | グッドリビング株式会社
南海トラフ地震の発生が高い確率で想定されている今、地震が起きたあとの暮らしまで見据えることが大切です。これから家を建てるなら、地震に強い構造とさらに万一に備える保証までを考えることが必要となるでしょう。
まとめ|静岡県で安心して暮らすために
前半でお伝えしたように、静岡県全体では最大約26万棟の全壊が想定されており、特に津波や液状化の影響を受けやすい地域では、建物被害が集中する可能性が指摘されています。
南海トラフ地震はいつ起きてもおかしくないと言われていますが、正しい情報と備えがあれば、過度に怖がる必要はありません。こうした状況の中で大切なのは、「不安を煽られること」ではなく、自分たちの暮らしに合った備えを一つずつ積み重ねていくことです。
静岡という土地で、これからも安心して暮らしていくために、住まいの安全性を一度見直してみませんか。
グッドリビングでは、静岡の災害リスクを踏まえた家づくりのイベントや相談も受け付けています。将来の不安を「備え」に変える一歩として、ぜひ活用してみてください。
監修者情報
グッドリビング広報部

累計15000棟以上の実績があるグッドリビングが、WEBサイト上の情報をまとめただけの簡易的な記事でなく、実際のお客様とのコミュニケーションの中である悩みや疑問をテーマにしています。真剣に新築注文住宅を検討している読者に役立つ、価値ある中身の濃い情報をお届けしています。