2024.06.28
土地探しをするなかで、せっかく利便性など好条件の場所が見つかっても、もしそこが「日当たりが悪い場所」であったなら。
「日当たりが良くないから」と、候補から外してしまう方は多いのではないでしょうか。
確かに日当たりが良いと明るくて過ごしやすいイメージですが、日当たりの悪い家にもメリットはあります。
また対策をしておけば、快適に過ごすことも可能です。
そこで今回は、日当たりが悪い家の原因やメリット・デメリットを解説するとともに、暮らしやすい環境を手に入れるための工夫についてもご紹介します。
新築でこれから一戸建てを検討している人は、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
部屋の中が暗くなる原因として、まず家の方角や立地などが考えられるのではないでしょうか。ほかにも原因はいくつかありますので、ひとつひとつ見ていきましょう。
家の向きは、「開口が一番大きい面がどちらを向いているか」を指すのが一般的です。
家の向きがどの方角に向いているかによって、日の入り方は違います。
以下は、方角別にまとめた特徴の例です。
南向きの家 | 朝・昼・夕と1日を通して日当たりが良い |
東向きの家 | 朝方から午前中の日当たりが良い |
西向きの家 | 夕方の日差しが良く入る |
北向きの家 | 一日を通して直接の日差しが入りにくい |
このように、時間帯によって日の入り方に違いがみられます。
しかしたとえ日が入る方角に家を建てたとしても、家の向きに背の高い建物があれば、光を遮られてしまう可能性はあります。
周辺環境はしっかり確認しておきましょう。
日当たりの良さは、周辺環境によっても影響します。
たとえば住宅密集地で隣の建物との距離が近い場合や、周辺に背の高い建物がある場合、太陽の光は妨げられてしまいます。
また前面道路の幅員が狭い場合も、向かい側の家との距離が近くなり、日が入りにくくなる可能性も。
道路に面した間口が狭く、細長いアプローチの先に敷地がある旗竿地(はたざおち)も、周囲を建物に囲われてしまうため、日が入りにくくなります。
家の窓数が足りない、大きさが小さいと、暗い室内になってしまいます。
採光をとるうえで必要な窓の大きさは、「有効採光面積が床面積の7分の1以上」と建築基準法では定められています。
また窓の大きさだけでなく、「その窓から光がどのくらい入りやすいか」を算出する「採光補正係数」も加味して計算します。
床面積だけでみるなら、21畳のリビングの場合、有効採光面積は「3畳分以上必要」ということになります。
これらの条件を満たした窓の配置や、大きさを選ぶ必要があります。
日当たりの良い土地を選んだのに、「住んでみたら、思っていたより暗かった」という声も良く聞きます。
これは「季節によって日の入り方が違ったため」と考えられます。
たとえば家が南向きの場合、冬は部屋の奥まで日差しが入りますが、夏は日差しが垂直に近い角度で入るので暗く感じます。
また南側に建物が近接している場合も、日射角度が低い冬は光を遮られてしまい、年中日が当たらない、ということもあります。
このように、周辺環境や家の向きによっては、季節の影響を受けることもあるので注意しましょう。
日当たりが悪いとデメリットが目立ちますが、日が入りすぎないからこそのメリットもあります。ここでは3つにまとめて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
日差しが強い暑い時期でも、比較的涼しく過ごすことができます。
冷房費の節約につながりますし、また暑いのが苦手な人やペットへの負担も少なく、安心です。
直射日光が入りにくいと、窓際に置かれた家具やフローリング、壁紙などが紫外線の影響を受けにくくなります。
そのため、日焼けによる色あせや劣化が少なくすみます。
日当たりの悪い場所は、価格が安い傾向にあります。
人気のエリアは土地代が高騰しますし、狭小地も多くみられます。
「利便性を重視し、土地の費用は抑えたい方」には、好条件であるといえるでしょう。
メリットもご紹介しましたが、やはり日当たりが悪いことで生じるデメリットもあります。その理由を3つご紹介します。
日当たりが悪いと、外に干していても「洗濯物が乾きにくい」というデメリットがあります。
1日の洗濯物が多いご家庭は、とくに不便を感じるかもしれません。
外で乾ききらないものは、中で干さなくてはなりません。
その場合、不快な生乾きの匂いや、室内干しスペースへの対策が必要です。
夏は涼しくても、その反面、冬は寒さを感じやすいというデメリットもあります。
夏は光熱費を抑えることができても、冬の暖房はかかせません。
また日が当たらないために、湿気がこもりやすいという特徴も。
窓に結露がたまると、どうしてもカビが繁殖しやすくなってしまいます。
これらのリスクを防ぐには、空気の循環を良くする工夫が必要です。
日中薄暗いため、なんとなく鬱々とした気分になる方もいるようです。
実際に、精神を安定させる脳内神経伝達物質「セロトニン」の分泌量は、日光を浴びることで増加するといわれています。
つまり薄暗い部屋に長時間いると、セロトニンが不足し、気分が落ち込むケースもあるようです。
そのほかにも部屋の明るさが十分でない場合、視力の低下に影響が出ることも考えられます。
日当たりが悪くても、工夫次第で生活しやすい住まいにすることは可能です。そこでデメリットを解消する「8つのコツ」をご紹介しますので、しっかりおさえておきましょう。
周辺環境によって日が入りにくい なら、「高さを利用した間取り」がおすすめです。
たとえば「吹き抜け」は、高い位置に大きな窓を設置できるので、狭小地でも明るさを確保できます。
また天井を高くすることで、開放的な空間づくりも可能です。
そのほかにも、通常1階にあるリビングを、2階に持ってくるという方法もあります。
「2階リビング」は採光性だけでなく、隣家や道路からの視線が届きにくくなるので、プライベート感を大事にしたい人にも人気があります。
家の採光性は窓が大きいほど、または高い位置にあるほど、高くなります。
窓は外観のデザインにも影響を与える重要なもの。
掃き出し窓や、縦長のスリット窓、横長のすべりだし窓など複合させて、家の採光性を高めるようにしましょう。
また間口があまり取れず、窓を複数設置できない場合は、屋根に取り付ける天窓や、天井を高くして壁の高い位置に窓を設置するとよいでしょう。
床や、壁、インテリアなど、内装に明るい色を採用するだけでも、家の中の印象は違って見えます。
そこでおすすめなのが、白や明るいベージュです。
白は光を反射するので、部屋全体が明るくなります。
洗練された雰囲気が魅力のホテルライク、北欧家具を取り入れたカフェ風インテリアなど、相性の良いインテリアを探してみましょう。
日が入りすぎないので、落ち着いた雰囲気の空間が作れますよ。
また日陰でも育つモンステラや、フィカス・ウンベラータといった観葉植物を置くのもおすすめ。
インテリアとしておしゃれに見せるだけでなく、癒し効果も期待できます。
室内だけでなく、外構部分も白を取り入れるとよいでしょう。
たとえばバルコニーやテラスの床を白系統にすれば、太陽光を反射させ、部屋の中まで光を届けてくれます。
また防犯にも役立つ砂利を、白い玉砂利にするのもおすすめ。
白は外構のアクセントとしても映えますし、高級感も演出できます。
日当たりが悪いと室内が暗くなってしまうので、細かい作業をするには十分な照度が必要です。
目への負担を少なくするためにも、照明計画は綿密にしておきましょう。
たとえば、ダウン ライトやスポット ライト、手元灯など複数の照明を配置した「多灯使い」や、明るさを色をコントロールできる照明を利用するのがおすすめ。
目的に応じて、照明器具で明るさを補うようにするとよいでしょう。
洗濯物が乾きにくいことを考慮して、あからじめ室内干しできる環境を整えておくことも大切です。
たとえば乾燥機能付きの洗濯機や、浴室暖房乾燥機を設置しておくと「洗濯~乾かす」までの流れを効率良くできます。
さらに服を収納するスペースが近くにあれば、家事時間も短縮できますね。
また洗濯量が多いご家庭では、ガスやヒーター式の乾燥機を別途で設けることもありますが、ここで注意が必要です。
乾燥機から出る湿気をだす排湿管や、コンセント(ガスの場合はガス栓)を事前に用意しておく必要があります。
また機器にもよりますが、防火上、上部・左右にスペースを空けておくことも求められます。
もし設置を検討されるなら、スペース不足、追加工事を避けるためにも、早めに施工業者には伝えておきましょう。
湿気の発生を防ぐためには、こまめな換気が必要です。
晴れの日は窓を開けて風通りを良くし、天候が悪い日は除湿機を使うようにして、できるだけ湿気がこもらないようにしましょう。
また窓の位置を決める際には、風の通り道を意識して配置するとよいでしょう。
さらに吹き抜けなど天井が高い間取りの場合は、シーリングファンやサーキュレーターを利用するのもおすすめ。
空気を循環させるので湿気をとどまらせないだけでなく、室内の温度ムラを防げ、エアコン効率も上がります。
「冬が寒い」というデメリットへの対策としては、「部屋の温度を一定に保つ」ことがあげられます。
そのためには、家の気密性・断熱性を高めることが重要です。
気密・断熱性を高めると、温めた空気が外に逃げにくく、また外からの冷気は伝わりにくくなります。
外気からの影響を受けにくいので、省エネ効果が期待でき、光熱費は少なくすみます。
戸建てを建てる際には、ぜひ家の性能にも着目して検討するようにしましょう。
日が当たらない空間だからこそ、適しているシーンや作業は意外と多いものです。
たとえば仕事柄、昼夜逆転している場合はストレスが少なくすむでしょう。
また日光が入りすぎるとPCの画面に反射して作業しづらくなるもの。
在宅でデスクワークをしている場合も作業もしやすいといえます。
ほかにもドライフラワーをつくったり、食品を保存する なら、「風通しのいい日陰」は最適です。
洗濯に関しても、排気ガスや花粉を避けるために、もともと部屋干しをメインとしている人 なら、支障はないかもしれません。
このようにご自身やご家族のライフスタイルはさまざまな形があります。
後悔しないようにするためには、一般的な情報だけに頼らずに、ライフスタイルに合った場所選び・家づくりを進めることが大切です。
家の土地を探すなかで、立地条件の良し悪しを決める「日当たり」。
この記事では、日当たりが悪い家について解説しました。
日当たりが悪いと、湿気がたまりやすく、気分も落ち込みやすくなるもの。
また洗濯物も乾かず、ストレスを感じるかもしれません。
日当たりは、家の方角や周辺環境によって起因します。
土地を決める際には、周辺に光を遮る建物がないか、実際に現場へ出向いて確認しておきましょう。
しかし、日当たりの良し悪しだけで決めてしまうのは、もったいないともいえます。
なぜなら、たとえ日当たりが悪くても、対策をすれば快適に暮らすことは可能だからです。
その対策として、
について、今回のコラムではご紹介しました。
ポイントは「光の反射を利用すること」と「換気もこまめにすること」、「室内干しの設備を完備しておくこと」。
ここをおさえておけば、快適で過ごしやすい家になるでしょう。
また、日当たりが悪いからこそ、適しているライフスタイルや作業は意外と多くあります。
ご家族の暮らしにあう条件は何か、しっかりと検討したうえで、立地条件に適した家を建てることが大切です。
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