2024.06.01
2階にリビングがある間取りは、日当たりはもちろん、1階ではできなかった開放的なつくりが実現できます。
しかし、「生活スペースが2階になると、どんなことに注意すればいいの?」とイメージしにくい部分もあるかもしれません。
また「老後になっても暮らしていけるのか」という心配もありますよね。
そこで今回は、「2階リビング」のメリット・デメリットをお伝えするとともに、デメリットを解消し、長く安心して暮らせる対策をご紹介します。
ぜひこれから家づくりをお考えの方は、参考にしてください。
目次
2階リビングとは、リビングを2階部分に配置し、子ども部屋や寝室を1階に設けた間取りのことをいいます。
最近では3階建てにして1階を駐車場、3階を居室スペースにするケースも増えてきています。
家づくりを検討するうえで、以下のような条件がある場合、2階リビングの方が理想をかなえやすくなります。
開放感があり、広々とした明るいリビングを希望するなら、上階への影響を気にせずにすむ、平屋も選択肢としてあげられるでしょう。
しかし平屋の場合、狭小地や2階建て以上の建物が密集している地域だと、十分な家の広さや、採光がとれない可能性があります。
2階リビングは、周辺環境に左右されることなく十分な家の広さを確保でき、また高い位置から太陽の光を取り込めるので、日中、部屋の奥まで明るくなります。
前述したとおり、2階リビングは立地条件の影響を受けず、快適な空間づくりを可能にします。ほかにもあげられる2階リビングのメリットは、次のとおりです。
2階リビングは天井の高い、開放感のある空間を自由に作れます。以下はその一例です。
縦方向に空間を広げられられる2階リビングは、高い天井高、壁を大胆にくりぬいた大きな窓など、開放的なつくりが可能です。
また縦の空間を有効に使える、「ロフト」や「スキップフロア」とも相性のよい間取りといえます。
これらをうまく活用して、収納スペースや書斎、趣味スペースなど、リビングの用途の幅を広げることが可能です。
周辺に道路がある場合や、住宅が密集した地域だと、外からの視線が気になってしまいますよね。
2階リビングは生活スペースを周囲とずらすことで、道路や隣家からの視線が気になりにくくなります。
リビングがバルコニーと隣接していれば、視線が遮断され、さらにプライベートな空間に。
外の様子を気にせず、窓やカーテンをおもいきり開けてくつろぐ時間は、心の底からリラックスできるのではないでしょうか。
また立地にもよりますが、家の前が抜けることで景色が一望でき、自然の変化や街の景色を楽しめます。
リビングからの眺望の良さも、2階リビングならではの魅力といえるでしょう。
建物の耐震性を高めるには、「耐力壁の量を確保」と「耐力壁をバランスよく配置する」ことが重要です。
万一大きな地震が起きた場合、1階と2階では、1階の方が大きな負荷がかかります。
そのため、1階は2階よりも耐力壁の量を確保しなければなりません。
リビングは家の中で面積が広いので、必然的に壁の量は少なくなります。
通常は1階にリビングがあるので、限られた壁で上からかかる負荷を支える必要があります。
しかし2階リビングは、屋根に作用する力だけを支えればよく、さらに個室で仕切られる1階は、2階よりも壁を多く確保できるので、効果的に耐震性を高められます。
これまで2階リビングのメリットを挙げてきましたが、上下階への移動のリスクなどデメリットもあります。
では具体的にどういったものがあるのか、ひとつひとつみていきましょう。
2階リビングで最も懸念されるのが、上下階での移動ではないでしょうか。
2階が生活スペースになるため、どうしても階段の移動は必要です。
とくに買い物時など荷物が多い場合は、その都度上に運ぶため大変に。
また1階にお風呂やトイレがある場合、家事動線が複雑になってしまうことも。
こういった負担が少なくなるよう、間取りをしっかり検討する必要があります。
寝室や子ども部屋などが1階にあると、玄関から個室への出入りができてしまうため、「家族の様子が把握しにくい」というデメリットもあります。
家族間でのプライバシーを確保できるのはメリットですが、家族の気配や声を伝わりやすくする工夫が必要な場合もあるでしょう。
空気の性質上、温かい空気は上へ、冷たい空気は下へ流れていきます。
そのため2階に熱が行きやすく、夏はとくに暑さを感じるようです。
また2階リビングは日の光もたくさん入るため、外からの熱も室内に伝わりやすくなります。
2階リビングは、防犯面にも注意が必要です。
なぜなら生活スペースが2階にあるため、1階への防犯意識が薄れてしまいやすいからです。
個室の換気のために窓を開けていたり、留守にする際に部屋の窓のカギを閉め忘れていたり、ということも。
また2階にいると1階での異変に気付きにくいため、不審者が1階に侵入しても気づかず、犯行に及ばれてしまった、という事態にもなりかねません。
体力があるうちは、階段の上り下りも支障なくできますが、高齢になると足腰の筋力が弱まってきます。
思うように足があがらず、上下階への移動が、おっくうになってくるかもしれません。
転倒・転落など、思わぬ事故をまねく可能性もあります。
2階リビングにするなら、ライフステージが変わっても快適に過ごせる対策が必要です。
開放的なつくりが実現できる一方で、移動の負担や防犯面といったデメリットがある2階リビング。これらの問題を解消し、快適に暮らせる対策を5つご紹介します。
階段の上り下りの負担を軽くするには、階段への工夫がポイントです。
具体的には、「階段に踊り場をつくる」、「段数を増やして勾配を緩やかにする」、「踏板を広くする」などがあげられます。
また2階へ持ち込む物の中継地として、1階にも収納スペースを確保しておくのもおすすめです。
たとえば、米袋やペットボトルのミネラルウォーターなど重さのあるものは、持ち運びが大変ですよね。
階段の近くに、これらをストックしておけるスペースがあれば、一度に運びきらなくても良くなります。
家事動線は水回りをまとめることで、移動がコンパクトになり、効率も良くなります。
そのなかで洗濯動線は「洗う・干す・しまう」がワンフロアでできると、移動の負担が少なくすみます。
たとえば2階リビングの場合、以下の2パターンが考えられます。
2階に洗濯スペースとファミリークローゼットを配置 | 狭小地などにおすすめ。日当たり・風通しがよく、乾きやすい。 ただし2階のボリュームが大きくなり、バランスを調整してリビングが狭くなる場合も。 |
1階に洗濯スペースとファミリークローゼットを配置 | 敷地に余裕があるなら、洗濯物を干すデッキがあると便利。布団も1階で干せる。 ただしお風呂や脱衣所が1階になり、家事動線が複雑になることも。 |
水回りは、立地条件や優先したい動線などを考慮しながら、ご家族にとって使いやすい配置を検討しておきましょう。
家族が自然とコミュニケーションが取れるよう、子ども部屋を2階に配置するのも一つ。
もしくはスタディースペースをリビングに設けて、リビング学習ができるようにすれば、子どもの様子に目が届きやすくなります。
たとえばスキップフロアを利用して机を並べれば、半個室のようなスペースに。
お子様も家族の気配を感じる中、勉強に集中でき、勉強道具も収納できるようにしてあげれば、リビングも散らかりにくくなります。
2階にこもる熱を解消するには、以下のような対策があげられます。
ベランダや深い軒は、夏の強い日差しをよけるのに役立ちます。
またエアコンの容量を大きさを検討するとともに、換気やファンを使って、空気の循環をよくしておくとよいでしょう。
また室外側のガラス表面にLow-E膜を配置し、外からの熱を遮断する「Low-Eガラス」も効果的です。
戸建ての場合、空き巣が最もねらいやすい侵入経路は、「窓」といわれています。
とくに1階は防犯意識が薄れがちになりますので、防犯ガラスや警報機を窓に設置しておくとよいでしょう。
また人目に付く位置に、防犯カメラを設置しておくのもおすすめです。
これまで2階リビングのデメリットを解消する対策をお伝えしました。ここでは、さらに長く安心して暮らせるように、将来に備えておさえておきたいポイントを解説します。
いずれ階段での移動が困難になった時のことを優先されるなら、1階に必要な設備を設置しておくと安心です。
たとえば、寝室の近くにトイレやお風呂を配置しておき、将来的には1階にミニキッチンを設置する、という方法もあります。
また階段付近に収納スペースを設けておけば、買い置きのストック場所になるほか、後付けによるエレベーターのスペースとしても役立てるでしょう。
階段での移動が困難になった時のために、あらかじめエレベーターを採用しておくのもよいでしょう。
費用相場としては、エレベーターのサイズや建物の構造にもよりますが、約300万円ほどかかります。さらに電気代とメンテナンス費用がかかります。
またホームエレベーターは建物の資産価値が上がるため、固定資産税も若干高くなるようです。
しかし耐用年数が約20年といわれていますので、ちょうど家のリフォームを考え始める時期にまた取替工事が必要に。
すぐに必要性を感じないようであれば、リフォームの段階でエレベーターを検討するのでもよいかもしれません。
ライフステージの変化に伴い、住みよい暮らし方も変わります。
2階建ての維持管理が負担になるようであれば、平屋への建て替えや、マンションへの住み替えも視野に入れておくとよいでしょう。
ワンフロアで生活できる平屋やマンションなら、バリアフリーの間取りが実現でき、体への負担や転倒などのリスクを回避できます。
高齢者向けの住宅ローンや新築戸建て向けの助成金もありますので、ご自身が健康で安心して暮らせる選択をするのが大切です。
立地に左右されることなく、快適で明るい空間を実現できる2階リビング。
しかし上下階への移動のリスクや老後の不安といったデメリットもありました。
今回の記事では対策として、
について解説しました。
さらに長く快適に暮らしていくには、ライフステージに合わせたリフォームや、建て替え・住み替えも視野に入れておくとよいでしょう。
ぜひこれから間取りを考えるヒントとして、参考にしてください。
また、2階にリビングがあるような特徴のある家を建てるなら、細かな要望に対応のできる、「注文住宅」がおすすめです。
しかし打ち合わせを進めていくうちに、今回ご紹介した以外にも「こんなとき、どうしたらいいの?」といった疑問が生じるかもしれません。
実績のたしかな会社であれば、そういった疑問点や、ご自身が気づかなかった部分にもフォローしやすくなります。
グッドリビングは15,000棟を超える施工実績から、お客さまの理想の暮らし方を丁寧にヒアリングし、お客様のライフスタイルやご要望に合わせたプランをご提案してきました。
その中の一つであるグッドリビングの「TATTA!」は、理想の住まいをワンプライスで建てる、完全自由設計の商品プランです。
2階リビングはもちろん、さまざまな間取りが可能です。
家づくりの疑問点や費用面、ローンのことなどご相談いただければ、プロの視点でお答えします。
気になる方は、ぜひお気軽に資料請求・お問い合わせください。
またモデルハウスなら、グッドリビングの家を実際に体感していただけます。
ご希望の方は、ご予約にてお申込みください。