COLUMN コラム
南海トラフ地震がいつ起きてもおかしくないと言われる今、愛知県で暮らす私たちも他人事ではありません。地震が発生した際、建物やライフラインへの被害だけでなく、通勤や子どもの生活にまで影響が及ぶことを考えると不安になりますよね。
特に名古屋市など都市部では、企業や住宅が集中しているため、被害想定を知らずに放置すると、いざというときに迅速な対応ができないリスクがあります。
そこで今回は、愛知県における南海トラフ地震の被害想定や暮らしへの影響をわかりやすく解説し、今すぐできる防災・避難対策を紹介します。ぜひ最後まで読み、あなたと家族の暮らしを守る第一歩にしてください。
南海トラフ地震とは?愛知県が影響を受ける理由

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南海トラフ地震は、発生の可能性が高く、愛知県でも揺れや津波、液状化による被害が想定されています。ここでは、地震が発生する理由について解説します。
南海トラフ地震の基本情報
南海トラフ地震は、南海トラフ沿いのフィリピン海プレート(海洋プレート)とユーラシアプレート(大陸プレート)の境界で発生する巨大地震です。海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込むことで応力が蓄積し、限界を超えると断層が一気にずれることで地震が発生します。
南海トラフ地震は過去にも繰り返し発生しており、直近では1946年に「昭和南海地震」が起きています。この地震では、紀伊半島から四国を中心に甚大な被害が出ました。発生からすでに70年以上が経過していることや過去の発生間隔を踏まえると、次の南海トラフ地震発生の可能性は100%に近いといわれています。
なぜ愛知県・名古屋市も大きな影響を受けるのか
愛知県が南海トラフ巨大地震の影響を受けやすいとされる背景には、強震断層域に比較的近接しているためです。
地震発生時は震度6~7規模の大きな揺れが生じ、内陸部では軟弱地盤による液状化、沿岸部では津波や浸水の被害が想定されます。
また、名古屋市は企業や人口が密集しているため、建物倒壊や大規模な火災、交通の混乱など被害が広範囲に及ぶ可能性もあります。
【名古屋市を含む被害想定】南海トラフ地震が発生したらどうなる?

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南海トラフ地震が発生した場合、愛知県では地域によって想定される被害が大きく異なります。ここでは、愛知県内の地域ごとの被害想定をわかりやすく紹介します。
名古屋市・愛知県の被害想定
2025年3月に内閣府が発表した南海トラフ大地震の被害想定では、愛知県内の多くの市町村で震度6強から7の強い揺れが想定されています。県内の死者数は最大で約1万4千人、負傷者数も14万人を超えると推計され、そのほとんどが建物倒壊によるものとされています。
【県内で想定される最大全壊・焼失棟数の内訳】
| 被害要因 | 棟数 |
| 揺れ | 24万5,000棟 |
| 液状化 | 1万7,000棟 |
| 津波 | 1,500棟 |
| 急傾斜地崩壊 | 400棟 |
| 火災 | 13万7,000棟 |
| 合計 | 40万1,000棟 |
【県内で想定される最大負傷者数の内訳】
| 被害要因 | 負傷者数 |
| 建物倒壊・屋内落下物など | 14万2,000人 |
| 津波 | 400人 |
| 急傾斜地崩壊 | 20人 |
| 火災 | 2,400人 |
| 屋外落下物など | 1,400人 |
| 合計 | 14万5,600人 |
火災による被害も深刻で、2千人以上の人が火災で亡くなるといわれています。
津波については、田原市で22メートル、豊橋市で19メートルと非常に高い津波が想定され、最短で8〜11分という短時間で到達する地域もあります。
建物の倒壊の要因となる液状化は尾張地方を中心に広範囲で発生が見込まれ、被害数は最大1万7千棟にのぼると予想されているのが現状です。
愛知県の南海トラフ地震震災後の影響は?
南海トラフ地震が発生した場合、愛知県では地震直後から広範囲でライフラインが停止すると想定されます。
停電は県内の約9割に及び、復旧には地域差があるものの、数日から1週間以上かかる可能性もあるでしょう。断水はさらに深刻で、被災直後には約7~8割が影響を受け、完全復旧までに数週間〜数か月を要することもあります。道路の損壊や液状化、橋梁被害により、物資輸送に欠かせない交通網も大きな影響を受けることも考えられます。
また住宅が全壊した場合、多くの世帯は避難所や親族宅、仮設住宅での生活を余儀なくされます。仮設住宅への入居までには時間がかかり、その間の生活環境の変化は、子育て世帯や高齢者にとって大きな負担になるかもしれません。建て替えや修繕に必要な資材や人手が足りなくなる恐れもあるため、生活再建が長期化することを前提に対策しておく必要があります。
地震発生後、愛知県の暮らしはどう立て直される?復旧体制と地域の連携

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南海トラフ地震では甚大な被害が予想されている愛知県。震災後はどのように復興が進められていくのでしょうか。
愛知県の復旧体制を支える防災計画
地震発生後、愛知県の暮らしを立て直すために、県と市町村は段階的な復旧体制と地域連携を軸に対応を進めます。県は「愛知県地震防災推進条例」や「愛知県地域防災計画」「愛知県地域強靱化計画」を策定し、南海トラフ地震を想定した広域的な防災・復旧体制を整えています。
その具体策の1つが「第3次あいち地震対策アクションプラン」です。第3次あいち地震対策アクションプランは、住宅の耐震化や津波避難対策、ライフラインの早期復旧、避難所運営の強化などを通じて、南海トラフ地震による被害を最小限に抑え、震災後の暮らしを立て直すための具体的な行動計画を示しています。
また、南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合、沿岸部などには事前避難対象地域が指定され、原則として約1週間の事前避難が求められます。これは被害を未然に防ぐための重要な措置であり、住民が安全に避難できる体制づくりが進められています。
名古屋市独自の防災対策と「なごやハザードマップ」
名古屋市では、県の計画に加え、独自の防災対策が充実しています。その中核となるのが「なごやハザードマップ防災ガイドブック」です。地震ハザードマップをはじめ、津波・高潮・洪水・内水氾濫・ため池など災害種別ごとのハザードマップを全区で公開し、指定避難所マップや区ごとの防災情報も確認できます。
さらに、音声版ハザードマップや「地区防災カルテ」など、子育て世帯や高齢者にも配慮した情報提供が進められています。自宅周辺のリスクや避難行動を具体的にイメージできる点は、名古屋市ならではの特徴といえるでしょう。
情報発信と帰宅困難者対策で混乱を防ぐ
大規模災害が発生すると、名古屋市では一般車両の通行を制限する緊急交通路を設定し、救急・救援活動を優先する体制も整えています。これにより、災害時でも救助や物資輸送が滞りにくくなり、被災者の命や生活を守る初動対応が迅速に行われることが期待されます。
また、徒歩帰宅支援マップや帰宅困難者支援サイトでは徒歩での安全な帰宅ルートや支援拠点を把握できるので、混乱や二次被害の防止につながります。さらに、避難情報や被害状況は、防災アプリ、インターネット、メール、SNS、テレビ・ラジオなど複数の手段で発信され、情報を見逃さずに状況に応じた適切な避難行動をとりやすくなります。平時から確認しておくことで、震災後の混乱を最小限に抑えることにつながります。
子育て・共働き世帯の家庭で今すぐできる防災対策

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南海トラフ地震発生時、子育て世帯や共働き家庭では、家族の安全と暮らしを守る準備が特に重要です。ここでは、愛知県で今すぐできる防災対策や避難計画、必要な備えをわかりやすく紹介します。
ハザードマップで避難計画を見直そう
南海トラフ地震の発生を前提に、まずは自宅周辺のハザードマップを確認し、避難計画を見直すことが重要です。ここでは、愛知県の公式ハザードマップを活用した安全確認の方法や、避難計画の作り方を紹介します。
愛知県のハザードマップの見方
愛知県のハザードマップは、地域ごとの地震被害想定や津波浸水予測、液状化の可能性を色分けして表示しています。
ハザードマップを見る際は、自宅や職場、子どもの学校の位置をマークし、浸水や倒壊のリスクを把握しておきましょう。また、地図だけでなく、県や市が提供するデジタル版や防災アプリも活用すると、災害時の情報収集がスムーズになります。
避難所の場所や避難経路を家族で事前に確認することも、南海トラフ地震に備える上で欠かせません。愛知県では自治体ごとに指定避難所があり、津波や浸水リスクに応じて避難先が異なります。徒歩で安全に到達できるルート、通勤・登校時のルートもあわせて把握しておくと安心です。
また子どもや高齢者がいる家庭では、避難中の支援方法や集合場所の連絡方法も家族で共有しておくことで、災害発生時の混乱を最小限に抑えることができます。
子育て世帯・共働き世帯の最低限の防災準備リスト
南海トラフ地震の発生に備え、子育て世帯や共働き家庭では、まず家族全員の安全を守る準備が必要です。最低限揃えておきたいのは、水や食料の備蓄、救急セット、懐中電灯やラジオ、携帯電話の充電器です。避難用リュックには子ども用の着替えやオムツ、常備薬も忘れずに入れましょう。
また、停電・断水時を想定し、飲料水や簡易トイレ、モバイルバッテリーも確保しておくことが安心です。家族で避難場所や集合場所を共有し、定期的に確認することで、万が一の際も混乱を防げます。
【子育て世帯・共働き世帯の最低限防災準備リスト】
- 水・食料(3〜7日分)
飲料水・レトルト・缶詰・そのまま食べられるもの - 子ども用品(年齢別)
ミルク・おむつ・アレルギー対応食品・子どもの好きなお菓子 - スマホ対策
モバイルバッテリー・充電ケーブル - トイレ・衛生用品
簡易トイレ・トイレットペーパー・ウェットティッシュ - 薬・大事な書類
常備薬・処方薬・母子手帳(写真保存もおすすめ) - 身を守るもの
防災ずきん・ヘルメット・上着・毛布 - お金・連絡手段
現金(小銭)・家族の集合場所・連絡方法 - 家の安全対策
家具固定・感震ブレーカーの設置
【チェック】今の家は南海トラフ地震に耐えられる?

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愛知県で暮らす私たちにとって、南海トラフ地震の発生時に家が安全かどうかは最優先の関心事です。耐震性能や立地など、家の安全性を確認するための具体的なチェックポイントは次の通りです。
まず確認したい5つのポイント
南海トラフ地震に備え、愛知県で暮らす家庭は自宅の耐震性を把握することが重要です。まず建築年を確認し、新耐震基準に基づく建物かをチェックしましょう。
木造住宅かマンションかでも、揺れの影響に違いが出ます。耐震補強の有無も確認し、補強済みであれば安心度が高まります。
さらに立地条件、例えば沿岸や液状化しやすい地域かどうかも影響するので、さきほど紹介した各自治体のハザードマップで確認しておくと安心です。
- 建築年(新耐震基準か)1981年以降もしくは2000年以降
- 木造 or マンションか
- 耐震補強の有無
- 立地
これら5つのポイントを押さえることで、被害想定を意識した現実的な防災対策が立てやすくなります。必要に応じて、自治体や専門サイトで地域ごとの情報も確認しましょう。
不安を感じたらどうする?
家の安全性に不安がある場合は、「耐震診断」を受けることも方法の1つです。専門家による診断で、揺れや液状化への耐性、建物の補強が必要かどうかが分かります。
愛知県内の自治体や建築相談窓口では、無料または低額で相談できる制度もあります。補強やリフォームの具体的な方法も教えてもらえるため、被害想定に応じた安全対策を検討できるので、ぜひ利用してみてください。
これから家を建てる人が知っておきたい南海トラフ地震への備え

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愛知県で新しい家を建てるなら、南海トラフ地震への備えを事前に考えることが大切です。ここでは、耐震性能や地盤、災害後の暮らしまで含めた安心設計のポイントを紹介します。
愛知で家を建てるなら押さえたい耐震・防災のポイント
愛知県でこれから家を建てるなら、まず耐震性能の確保が欠かせません。耐震等級は等級3を目安に、地震発生時でも建物の倒壊リスクを最小限に抑える設計を選ぶことが重要です。また、地盤調査を行い必要に応じて地盤改良を施すことで、液状化や地盤沈下などの被害を防ぐことができます。
さらに、南海トラフ地震では長時間の停電や断水も想定されるため、太陽光発電や蓄電池、断水時に使える水回り設備などを備えると安心です。震災後の生活を考慮した防災設計を取り入れることで、いざというときでも落ち着いて暮らせる住まいが実現できます。
- 耐震等級(等級3が目安)
- 地盤調査と地盤改良の考え方
- 揺れだけでなく「液状化」への配慮
災害後の暮らしまで見据えた「安心できる住まい」とは
南海トラフ地震への備えでは、揺れに耐えるだけでなく、災害後も安心して暮らしを立て直せる住まいかどうかが重要です。大きな地震では、建物が倒壊しなくても修繕や建て替えが必要になるケースが少なくありません。
グッドリビングでは、耐震等級3を標準とした高い耐震性能に加え、制震装置「ミライエ」を採用し、繰り返しの揺れによる建物へのダメージを抑える設計となっています。これにより、地震後も住み続けられる可能性を高め、避難生活の長期化を防ぐことにつながります。
さらに、万が一大規模な被害を受けた場合に備えた建て替え補償も用意されており、経済的な不安を軽減できる点も特徴です。災害後の暮らしまで見据え、「家族の生活を守る住まい」を考えることが、これからの家づくりでは欠かせない視点といえるでしょう。
まとめ|南海トラフ地震に備えて、今日からできること
南海トラフ地震は、いつ起きても不思議ではないとされ、愛知県や名古屋市でも甚大な被害が想定されています。揺れや津波、液状化といった直接的な被害だけでなく、停電や断水、交通の混乱など、震災後の暮らしへの影響が長期化する可能性も否定できません。
そのため大切なのは、「起きてから考える」のではなく、被害想定を知った上で、今できる備えを重ねておくことです。ハザードマップの確認や避難計画の見直し、防災備蓄の準備は、今日から始められる対策といえるでしょう。
また、これから家を建てるなら、住まいの耐震性だけでなく、災害後の暮らしを守れる住まいづくりが必要となってきます。今の家に不安がある場合や、これから家を建てる予定がある場合は、自己判断だけで抱え込まず、住まいのプロに相談することも有効な選択肢です。
グッドリビングでは、南海トラフ地震を見据えた住まいづくりについての無料相談を受け付けています。家族の暮らしを守るための第一歩として、気軽に活用してみてはいかがでしょうか。
監修者情報
グッドリビング広報部

累計15000棟以上の実績があるグッドリビングが、WEBサイト上の情報をまとめただけの簡易的な記事でなく、実際のお客様とのコミュニケーションの中である悩みや疑問をテーマにしています。真剣に新築注文住宅を検討している読者に役立つ、価値ある中身の濃い情報をお届けしています。