家族みんながワンフロアで暮らせる快適さや、耐震性の高さが魅力の平屋。
バリアフリーを考えたい年代のご家族だけでなく、近年では子育て世代にも人気を集めています。
しかし、一方で防犯面を心配している方も多いのではないでしょうか。
「一階建てという構造上、空き巣に狙われやすいからやめたほうがいい」なんて聞くと、やはり心配になりますよね。
そこで今回は、平屋ならではのリスクや効果的な防犯対策についてお伝えします。
家族が安心して過ごせるマイホームを作るために、ぜひ参考にしてみてください。
目次
平屋は2階建てとは違い、防犯上に弱みがあります。
防犯上で弱いと言われる理由の4つを解説しますので、詳しくチェックしてみましょう。
平屋が空き巣に狙われやすいと言われるのは、開口部が1階に集中していることが理由のひとつです。
空き巣は、基本的に窓や玄関ドアから侵入します。
二階建ての住宅なら二階部分の窓やバルコニーは侵入経路の選択肢から自然と外れますが、平屋の場合は、家中の窓やドアが全て地面に近い位置にあるため、侵入が簡単そうに見えてしまいます。
特に、自然光や風通しを重視した住宅なら窓もおのずと多くなってしまうため、より侵入が容易に見えてしまうでしょう。
プライバシーを守るために平屋の住宅では、高めの塀や植栽で周囲から目隠ししている場合がとても多いです。
しかし、高めの塀や植栽は同時に、周囲の目が届かない死角をたくさん作ることになります。
空き巣が隠れられる死角が多いと、狙われる可能性は高まります。
プライバシーと防犯面のバランスをどう調整していくかが、平屋を建てる際の課題とも言えるでしょう。
平屋では、開口部が全て1階にあるのに加えて、全ての部屋がワンフロアに配置されています。
上下の移動がないのが平屋のメリットではありますが、侵入の動線を容易に確保しやすく空き巣にとってもメリットです。
侵入から脱出までの時間が短く済む住宅は、狙われるリスクが高くなってしまいます。
平屋を建てる際は、2階建ての住宅よりも広い土地が必要となります。
そのため、平屋は見晴らしの良い場所、広く開けた場所などに建てる場合が多いです。
家族構成やライフスタイルを周囲から観察しやすい環境にあるため、空き巣の目にとまりやすいと言えるでしょう。
「周囲の環境が邪魔しない場所が良いけど、わが家の情報が筒抜けになってしまう」というジレンマが発生しやすい部分です。
平屋の防犯を考える上で、最も重要と言えるのが「窓」です。
平屋は構造上、すべての窓が1階部分にあるため、外部からの侵入が非常に容易になりやすい特徴があります。
そのため、窓は空き巣が最初に狙う箇所として挙げられることが多いのです。
令和5年度の警視庁データでも、一戸建て住宅の侵入経路として「窓」が最多の55.2%となっており、実に半数以上が窓から侵入されています。
特に、採光性や通気性を意識すると住宅は自然と窓の多い間取りになってしまい、空き巣にとって格好の侵入ポイントになる可能性は高いです。
建物の階層に限ったことではありませんが、平屋では特に、窓が防犯の要であることを意識し、しっかりと防犯対策を行っておく必要があります。
空き巣が一戸建てに侵入する経路の半数以上が窓のため、やはり重視したいのは窓への防犯対策です。
ここでは、窓にできる防犯対策を紹介しますので参考にしてみてください。
窓の大きさや数を最小限に抑えて侵入経路を物理的に減らせば、防犯性を高めることができます。
大きな窓は採光性や眺望を良くする反面、空き巣にとっても侵入しやすいポイントです。
採光性や風通しを意識した窓の多い間取りは人気ですが、最近では気密性・断熱性などの住宅性能を重視した設計も注目されています。
住宅の性能が上がれば、住んでいくうえでのランニングコストも下がります。
窓が小さく、少ないのはネガティブなイメージもありますが、防犯面や住宅性能においてメリットも大きいので設計段階から検討してみましょう。
平屋の防犯対策を考えるなら、窓の種類にも注目してみましょう。
侵入しにくいデザインの窓を選べば、採光性や通気性を確保しながらも、防犯性を大きく高めることができます。
たとえば、開閉ができないFIX窓は、窓枠がしっかり固定されているため、外部からの侵入が割らない限り不可能。
侵入者を防ぎつつ、陽の光を適度に取り入れることができます。
また、横滑り窓は開閉できるタイプの窓ですが、開けても隙間が狭いため、通気性を保ちながらしっかりと防犯性の確保もできます。
こうした窓を取り入れるだけでも、平屋特有の「侵入しやすい」という弱点を大きく改善できるのでおすすめです。
空き巣が侵入する際は、窓のカギ周辺を割り、手を入れて解錠するという手口が一般的に使われています。
そのため、あらかじめ割れにくい窓ガラスを採用しておくと効果的です。
防犯用ではありませんが、断熱性の高い複層ガラスなども一般ガラスよりは割れにくくおすすめです。
すでに設置されている窓なら、防犯フィルムを貼り付ける方法も手軽に防犯効果を高められるので採用してみてください。
平屋の防犯対策として、窓に補助錠を取り付けるのは効果的です。
補助錠とは、もともと窓に付いているカギとは別に追加で設置できるカギのことです。
空き巣は窓のカギ周辺を割って解錠しますが、割るべき場所が複数になることで侵入に必要な時間を増やし、空き巣を諦めさせる効果があります。
また、設置が簡単で手軽に導入できるのも魅力。
外から見ても補助錠が設置されていることが分かるので、空き巣を未然に防ぐ効果も期待できるでしょう。
トイレや浴室の窓は、換気をするために開けっ放しにしている方も多いでしょう。
開け放つことの多い小さめの窓には、面格子がおすすめです。
たとえ開いていたとしても面格子を取り外さないと入れないため、侵入にかかる手間と時間を最小限にしたい空き巣が嫌がる要素となります。
また、防犯シャッターも窓全体を覆って侵入自体を難しくするだけでなく、家を狙わせない印象を与えます。
「簡単に侵入できそうにない」というイメージを作るだけでも、かなりの効果が期待できるでしょう。
空き巣の侵入経路としては窓が半数以上を占めるので「窓への対策」はもちろん重要ですが、全体の防犯を考えるなら「窓以外」への対策もやはり必要です。
ここでは、窓以外にできるその他の防犯対策を紹介します。
他人に生活が覗かれるのは気分が良くないから、塀や植栽をたくさん設けて隠したくなるのは平屋によくあることです。
しかし、中の様子が全く見えないとかえって防犯性は低くなります。
周囲の目が届きにくくなり、空き巣が安心して作業できる環境を作り出してしまうのです。
防犯対策としては、適度な高さで塀や植栽を配置し、外から家の様子が完全に遮断されないようにすること。
例えば、低めの塀を設置する、目線の抜けるデザインのフェンスを選ぶなど、周囲の視線が通る工夫をしましょう。
ただの通行人なら見える環境にあっても、わざわざ覗いたりしません。
「人目に触れる家」は空き巣が嫌がるため狙われにくくなります。
防犯砂利とは、軽く踏むだけで大きな音が鳴る特殊な砂利のことです。
侵入者の足音が目立ち、周囲が気づきやすくなるだけでなく、音を立てずに近づくのが難しくなるので心理的なプレッシャーを与えることもできます。
防犯砂利はホームセンターやインターネットで手軽に購入でき、DIYでお手軽に設置できるのが魅力。
敷地全体でなくても、窓の下や死角になりやすい家の裏などで十分効果が期待できます。
防犯カメラや人感センサー付きライトは、不審者に対して心理的な効果が期待できます。
防犯カメラは、録画機能がなくても目立つ場所に設置することで「監視されている」というプレッシャーを与え、不審者にとって近寄りがたくなります。
最近ではスマホで映像を確認できるカメラも多く、外出中でも家の様子を確認できて安心です。
また、人が近づくと自動でライトが点灯する人感センサー付きライトは、不審者が暗闇に紛れて犯行を行うことを防げます。
突然、自分が照らされたことに驚いて侵入を諦めるケースも多く、防犯カメラと組み合わせればさらに効果を期待できるでしょう。
ご近所との良好な関係は、いざというときの「見守り」につながります。
普段から挨拶をして、お互いの顔を知っておけば、不審者が家の周りをうろついている場合でも、近所の人が気付いて声を掛けたり、警察に通報したりするなど素早い対応ができます。
設備だけでは補えない防犯力があるので、近所付き合いは大切にしましょう。
平屋と言ってもさまざまな住宅の形がありますが、防犯として効果が高いのは「ロの字型」の間取りです。
ロの字型の間取りとは、住宅が中庭を囲むように建てられる設計のことです。
家の内部が外から直接見えにくくなるため、プライバシー性と防犯性を同時に高められます。
また、中庭部分で採光や風通しも確保できるのも魅力。
防犯のために窓を減らしたり小さくしたりする必要がなく、開放的な空間を作れるのでおすすめです。
今回は、平屋が空き巣に狙われやすい理由や、平屋でできる防犯対策を紹介しました。
平屋は、地上に面した開口部が多く、上下の移動もないので空き巣にとっては2階建てよりも狙いやすい環境にあると言えます。
窓への防犯対策を意識しながら、周囲の視線が通りやすい外構を心がけましょう。
当グッドリビングでも、安心・安全の平屋の建築をご提案しております。
内装のトータルコーディネートから外構のアドバイスまで、ご相談をお受けしていますのでぜひお気軽にお問い合わせください。
家族が安心して暮らせる平屋を一緒に考えましょう!