2025.01.07
家づくりの中で、多くの方が悩まれるのが「土地探し」。理想通りの場所をすぐに見つけるのはなかなか困難でしょう。
仮に希望の土地が見つかったとしても、その場所が「市街化調整区域」なら、家が建てられない場合もあります。
「市街化調整区域」は自然豊かな場所が多く、広い土地を安く購入できるというメリットがある一方で、建築が難しいエリアだからです。
しかし浜松市には、許可が下りれば市街化調整区域でも住宅が建てられる、特例措置があるのをご存じでしょうか。
今回は、浜松市の市街化調整区域での特例措置の詳細や、市街化調整区域で家を建てるメリット・デメリットについて解説します。
事前に知っておけば、「土地探し」の時間がぐっと短縮されるかもしれませんので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
市街化調整区域とは、都市計画法に基づき、市街化を抑制するために設けられた区域を指します。
都市計画法とは、無秩序な開発を防止し、計画的な市街化を図るために設けられた法律です。
市街化調整区域は、自然環境の保護を目的としているため、建築物の建設や土地の区画整理が制限されます。
そのため、家の購入はもちろん、増改築・リノベーション工事でも、自治体に開発許可を受けなければなりません。
さらに建物の高さや容積率、建ぺい率なども制限があり、自由な建築計画が難しい場合があります。
市街化区域は、すでに市街地である区域や、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域が該当します。
市街化区域には用途によってエリアが分けられており、住環境の保護や景観維持などの観点から、「住宅系」「商業系」「工場系」の3つに大別されます。
浜松市の市街化調整区域は、以下の方法で調べることができます。
浜松市の公式HPにアクセスして「都市計画マップ」を開くと、都市計画情報が地図上で確認できます。
「用途地域等」にチェックを入れると、市街化調整区域はグレーの太線で囲われて表示されます。
太線内で着色された場所は用途地域を示し、市街化区域に該当します。
市役所の都市計画課に電話やメールで問い合わせができます。
「浜松市 都市計画課」でまず検索してみましょう。
検討している土地がある地域で営業している不動産会社があれば、相談してみると良いでしょう。
市街化調整区域は、人の手が加えられず、自然本来の姿が残る環境で暮らせる点が魅力です。そのメリットについて解説します。
市街化調整区域の大きなメリットは、広い土地を安く購入できる点です。
市街化調整区域は生活インフラが整備されていないので、市街化区域に比べて土地が安価になる傾向があります。
土地や建物を購入すると、「固定資産税」や「都市計画税」が毎年課せられます。
どちらも土地の評価額に比例するため、土地の価値が低いとされやすい市街化調整区域では、課せられる税金が少なく済む傾向にあります。
農地や緑地の保全が優先される市街化調整区域では、住居や商業施設、工場などが建てられません。
また交通量も多くないことから、緑に囲まれた静かな暮らしが可能です。
広い土地を確保しやすいので、近隣トラブルなども起こりにくく、都会よりものびのびと過ごせます。
畑でとれる新鮮な野菜や、山でとれる山菜、近くに川があれば魚釣りなど、自然の恵みを感じながら暮らせるのも大きな魅力です。
市街化調整区域は建物の建築に制限があるため、生活に不便さを感じるなどデメリットもあります。具体的にはどのようなものがあるか見ていきましょう。
市街化調整区域では、新しい家を自由に建てることが、原則として不可能な場所です。
また既存の家の増築やリフォームの場合も、さまざまな制限があります。
しかし、後ほどご紹介しますが、条件によっては建築が可能になるケースもあります。
それでも申請や造成に時間がかかるなど、市街化区域よりもスムーズにいきにくい点はデメリットとなります。
市街化調整区域は市街地から離れているため、日常生活の中で不便さを感じやすいとも考えられます。
たとえば、バスや電車などの本数が少ないため、買い物や通勤などは車での移動が必須でしょう。
また学校や習い事教室も少なく、選択肢が限られることも。
病院や福祉施設が近くにない場合も多いので、病気やケガなど急を要する時には、不安を覚えるかもしれません。
市街化調整区域は、農地や緑地の保全が目的であるため、電気や水道・ガスといったインフラが整っていないことが多いです。
そのため、電柱の設置や水道管の延長など、土地や家の購入費以外に費用がかかる可能性があります。
また傾斜地や荒れ地、場合によっては農地を、家が建てられるように整地すれば、それにかかる費用も発生します。
土地の安さから安易に購入を決めてしまうと、思わぬ費用がかさんでしまうことがありますので、事前にしっかり確認しておくことが大切です。
市街化調整区域の土地は、建設や土地活用に制限が多いため、購入しても将来的に売却しづらいことが予想されます。
また、開発許可によって住宅が建築できたとしても、売却する際には同じように条件が適用されるとは限りません。
法改正によっては、建築制限がさらに厳しくなり、売却が困難になる可能性もあります。
市街化調整区域で土地を購入する際には、この点も留意しておきましょう。
市街化調整区域は一般的に建物の建築が制限されますが、浜松市では基準を満たせば、建築を行える制度があります。詳細は浜松市公式HPでも確認できますが、概要を以下でご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
線引き前宅地制度は、都市計画区域を「市街化区域」と「市街化調整区域」に区分する以前の宅地であれば、住宅が建てられるという制度です。
浜松市は以下の日(線引きの日)よりも前に宅地である土地は、この特例が適応されます。
【線引きの日】
これらに該当する土地は、「土地」「敷地」「建築物」のそれぞれに設けられた要件を満たしていれば、建築が可能になります。
【申請基準の概要】
土地 | ・地すべりや土砂災害などの危険性がない場所であること。 ・線引き前宅地であり、地目が「宅地」であること。 ・前面道路幅員は4m以上。 |
敷地 | ・敷地面積が200㎡以上。 |
建築物 | ・第2種低層住居専用地域で建てられる建物(戸建て・共同住宅・小規模な店舗等)。 ・高さ10m以下。 |
詳しくは以下の公式サイトをご確認ください。
大規模既存集落制度は、市街化調整区域に長年住んでいる方やその子どもであれば、市街化調整区域でも家が建てられる制度です。
具体的には「20年以上の居住期間があること」や、「現在も1年以上住んでいること」が条件になります。
【申請者の基準】
他にも「土地」「敷地」「建築物」のそれぞれに基準があり、要件を満たす必要があります。
ご実家の近くで家を建てたい方や、地元で暮らしたい人であれば、この制度を利用できるかもしれませんので、ぜひご実家が対象であるか確認しておきましょう。
詳しくは以下の公式サイトをご確認ください。
市街地縁辺集落制度は、市街化調整区域の「市街地縁辺集落」であれば、住宅が建てられる制度です。
ただし、以下の要件を満たしている必要があります。
【申請基準の概要】
土地 | ・地すべりや土砂災害などの危険性がない場所であること。 ・下水道が利用できること ・住宅専用道路の幅が4m以上(それ以外なら6m 以上)。 |
敷地 | ・敷地面積が200 ㎡以上 500 ㎡未満。 |
建築物 | ・高さ10m以下。 |
前面道路や下水道が利用できることが条件であるため、ある程度整備された土地を業者から購入するケースが多いでしょう。
そのため市街化調整区域であっても、それなりの価格で販売されることが多いです。
詳しくは以下の公式サイトをご確認ください。
今回は、市街化調整区域で家を建てるメリット・デメリットや、浜松市の市街化調整区域での特例措置について解説しました。
市街化調整区域は、都市計画法の観点から一般的には家は建てられませんが、今回ご紹介したように、建築基準を満たせば特例措置はあります。
その際には申請に時間を要すること、造成やインフラ整備に費用がかかることなどを、考慮しておきましょう。
また市街化調整区域は、土地に熟知した業者に依頼するのがおすすめです。
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