一日の疲れを癒す寝室は、家づくりの中でもこだわりたい場所のひとつですよね。
ぐっすり眠れる快適な部屋にするには「どの窓を採用するか」が、実は重要なポイント。
そこで今回はよくある失敗例をもとに、寝室に適した窓の選び方について解説します。
また窓以外にも気を付けておきたい「3つの対策」もご紹介しますので、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。
目次
SNSなどで寝室窓のお悩みとしてよく挙げられているのが、以下の6つ。どんな「失敗例」があるのか、理由もあわせて確認しておきましょう。
外観デザインや採光を優先し、大きな窓を採用したケース。SNSでは「窓が大きくて夏は暑いし、冬は寒い」といった声がありました。
大きな窓自体には問題ありませんが、寝室の過ごし方によっては「失敗」と感じるようです。
たとえば、寝室とベランダが直結していて、そこに洗濯ものを干すなら、出入りのしやすい大きな窓は適しています。
さらにウォークインクローゼットがあれば、取り込んでからの作業もラクになることでしょう。
しかし寝室の主な目的が就寝だけであれば、採光や換気が取れる程度の小さな窓でも十分。
窓が大きいとそれだけ断熱性も下がり、外気の影響を受けやすくなります。
これは道路側に窓を設置した場合に、よく起こるケースです。
車通りの多い道路では、窓を閉じていても走行音が聞こえる可能性があります。
また道路だけでなく、隣家の駐車場側に窓がある場合も注意が必要です。
とくに夜間のエンジン音や、荷物の出し入れする音は気になるもの。
さらに2階に寝室がある場合は、1Fのように塀や植栽などで音が遮られることが少ないため、直接的に音を受け取りやすくなります。
隣家の窓と向い合う位置に窓を設置してしまったケースです。
隣家との距離が近ければ、なおさら「部屋の中が隣の家から見えていないか」など気になることもあるでしょう。
たとえカーテンなどで隠していても、わずかな隙間が気になってゆっくりくつろげないこともあります。
寝室に窓を設置すると、冬の外気との気温差で結露がたまり、さらに放置しておくとカビが発生する場合があります。
カビはアレルギーの原因にもなりますので、結露ができたらこまめな掃除が必要です。
しかし高い位置に設置された窓や、人が出入りできるくらいの大きな窓だと、掃除が面倒に感じる人もいるでしょう。
これはベッドのすぐそばに窓がある場合や、寝室の東側に窓を設置した場合によく起こるケースです。
東側に窓を設置すると、早朝から日差しが室内に入り込み、まぶしさを感じてゆっくり眠れない可能性があります。
寝室窓の設置する大きさや方角によっては、夏場の日差しが入り、暑さを感じて後悔する人もいます。
大きな窓を設置すれば、それだけ室内に入る日差しの量も増え、夏は熱気も伝わりやすくなります。
また西側に窓を設置すると、西日が入り、日中~夕方にかけて室温が上がりやすくなります。
一方で東側は朝日が入り、朝方~日中にかけて室温が上がるため、どちらの方角も注意が必要です。
快適な寝室にするためにも、「窓選び」は慎重に考えたいものですよね。そこで以下の「4つのポイント」を意識してみましょう。
大きな窓は日当たりの良さや効率的な換気に適していますが、直射日光の影響を受けやすい「東側・西側」はできれば避けた方が良いでしょう。
しかし寝室が東側か西側に位置しているなら、採光量を抑えられる窓がおすすめ。
たとえば横長や縦長の細長いタイプなら、採光量を抑えることが可能です。
ほかにも小さな四角い窓をいくつか並べて、デザインのアクセントとしても利用できますよ。
窓は外気の影響を受けやすいので、大きな窓やベッドの近くに窓があると、室内にいても寒さや暑さを感じやすくなります。
そのような場合は、「断熱性の高い窓」を選ぶのもひとつ。
たとえば、窓枠が「樹脂製のサッシ」は、アルミ製よりも熱を通しにくく、断熱性が高い特徴があります。
また2枚のガラスの間に空気やガスを封入した「複層ガラス(ペアガラス)」も、空気の層によって、外の熱気や冷気が伝わりにくくなります。
最近ではガラス表面に特殊な金属膜をコーティングを施した「Low-Eガラス」の需要も高まっています。
「Low-Eガラス」は、紫外線をカットできるため、室内温度を安定させることが可能です。
断熱性の高い窓は冬の結露も防げますので、掃除の手間やアレルギーの心配が少ないのもメリット。ぜひ検討してみましょう。
寝室は就寝のために部屋を閉めていることが多い場所なので、どうしても空気が滞りやすくなります。
現在の住宅には24時間稼働する換気システムが義務付けられていますが、すぐに空気の入れ替えをしたいときには、窓を開けて換気した方が早いでしょう。
効率的に行うなら、2方向から換気できる位置に窓を設置するのが理想的。
方角などの位置に注意しながら、できれば2つ以上窓を設置することをおすすめします。
風通しを良くすれば、寝具から出るほこりが蓄積するのも防ぎやすくなりますよ。
窓の設置は外部の状況を把握することも非常に重要です。
防音やプライバシーを守る上でも、新築を建てる家の周辺は事前にリサーチしておきましょう。
【とくに意識しておきたい注意点】
もしやむを得ず上記の場所に設置するなら、小さい窓を採用するなど、視線が入りにくいものを選びましょう。
また窓ガラスが半透明になっている「型ガラス」を選ぶのもおすすめです。
さらに壁の高所に設置すれば、室内が丸見えになることは避けられるでしょう。
先述した「断熱性の高い窓」も、断熱性だけでなく気密性にも優れているので、騒音が気になる場所には最適です。
窓にはさまざまな種類があるので、どれが良いのか迷ってしまうかもしれません。ここではそれぞれの用途に合う、寝室に適した窓をご紹介。メリット・デメリットがありますので、あわせてチェックしておきましょう。
縦すべり出し窓 | 窓の縦の側面を軸として外側に押し出して開閉するタイプの窓。 | ・気密性・遮音性が高い ・風にあおられやすい |
横すべり出し窓 | 窓の横の側面を軸として外側に押し出して開閉するタイプの窓。 | ・窓を開けても雨が室内に入りにくい ・換気がしにくい |
高窓 | 壁の高い位置に適した窓。コードやチェーンで開閉ができる。 | ・広範囲に光を取り入れられ、視線も気になりにくい ・掃除がしにくい |
天窓(ハイサイドライト) | 天井に設置する窓。 | ・日が入りやすく、部屋が明るい ・夏は暑さを感じやすい |
掃き出し窓 | 床から天井近くまである窓。引き違い窓が主流。 | ・外に出入りするの便利 ・空き巣に侵入されやすい |
FIX窓 | 壁に固定された窓。 | ・気密性・遮音性がもっとも高い ・開閉ができないため換気をおこなえない |
快適に過ごせる寝室には、窓以外にもできる対策があります。3つに分けて解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね。
掃き出し窓など大きな窓は、たっぷり光を取り入れられるのが魅力。
もしそのような窓を採用するなら、遮光カーテンやブラインドの利用がおすすめです。
遮光カーテンは通常よりも厚手の生地で、さらに光を反射・吸収する加工が施されているもので、内外の光を通さないようになっています。
また光だけでなく熱を遮断する効果もあり、夏の暑さや冬の寒さ対策にもなるというメリットも。
光を入れずに朝までしっかりと寝たい人や、ホームシアターなどを楽しみたい場合に適しています。
反対に、適度に光を取り入れたい人には、ブラインドがおすすめです。
ブラインドはスラットと呼ばれる細長い板の角度を調整することで、外からの光の量や視線をコントロールできます。
デザインも木製、アルミ製、プラスチック製のものなど種類が多く、インテリアに合わせやすいのが魅力です。
またカーテンよりも場所をとらないので、すっきりとした印象を与えます。
深い睡眠には、適切な照明を選ぶことも非常に大事なポイントです。
ゆったりと落ち着いた雰囲気にするなら、柔らかい光や、温かみのあるオレンジ色(電球色)のものを選ぶと良いでしょう。
たとえば、寝室の真ん中に照明を一つ設置するなら、調光機能の付いた照明がおすすめ。
照明器具の種類にもよりますが、リモコン一つで明るさや電球色が調整できるので、手軽に利用できます。
また光源が直接見えない間接照明は、照明の知識や建築の技術が必要ですが、柔らかい光で空間全体を照らすので、雰囲気づくりにはとても適しています。
【寝室に適した間接照明の種類】
ブラケット灯(壁付照明) | ・壁に取り付けた照明。 ・壁を照らして柔らかい光を演出する。 |
コーブス照明(建築照明) | ・天井側の「壁」に凹みを作り、その中に照明を取り付けて天井を照らす。 ・柔らかい光で空間全体を照らす。 ・その応用編として、ヘッドボード側に照明を組み込んだカウンターを救って壁を上方向へ照らす方法も。 |
スタンドライト、デスクライト | ・足元や手元に置く照明。 ・部屋の明るさの補助や、寝る前の読書などに適している。 |
フットライト(足元灯) | ・床付近の壁に埋め込まれた照明。 ・部屋が暗くなると足元を照らす。 |
ただし、寝ころんだときに光源が見えるものは注意が必要です。
たとえばブラケット灯は間接照明として適していますが、上下が開放されているデザインは、取り付ける場所によってはまぶしさを感じるでしょう。
また天井に照明を埋め込んだダウンライトは寝室にも使われることが多いですが、寝室では直接光が目に入って煩わしさを感じることも。
もし採用するなら、ベッドから離れた足元の壁側に設置するのがおすすめです。
コーブス照明と似ていますが、壁側の「天井」を凹ませて照明を取り付け、壁を照らす「コーニス照明」も真下から光源が見えるので、ベッド側は避けた方が良いでしょう。
寝室で快適に過ごすには、空調の位置も重要です。
エアコンの風が顔に当たると、乾燥によって喉の不調などを招くことも。
エアコンを設置する際には、風が直接顔に当たらないようにしましょう。
ベッドの足元側か、頭側ならエアコンの風向きを調整して設置するようにしましょう。
お客様のこだわりを形にしてきたグッドリビングには、家づくりのヒントとなる施工事例が15,000棟以上もあります。今回のコラムではおしゃれな寝室の実例を3つご紹介します。ぜひ窓の位置にも注目してみてくださいね。
淡いグレーやベージュ、明るめのモスグリーンなど、穏やかな色調でまとめられたこちらの寝室は、今人気のホテルライクを意識されたお住まいの一室。
上品で落ち着いた雰囲気は、とても居心地の良さそうなお部屋です。
奥にはウォークインクローゼットや、書斎があり、プライベートな時間をゆったりと過ごせる間取りとなっています。
頭上の窓からやわらかな光が差し込み、バルコニーへと続く大きな掃き出し窓は、部屋全体を明るく開放的に。
夜はロールスクリーンを下ろして、スタイリッシュな雰囲気を崩さずに、さっと目隠しができるようになっています。
天井と壁を淡いグリーンで統一したこちらのお住まいは、フラットな生活動線が注目されている平屋の実例。
室内のドアに合わせて窓枠も白でコーディネートされ、まるで海外にあるような素敵なお部屋に。
奥にある窓は縦すべり出し窓とFIXを組み合わせた窓が並んでいます。
足元側のFIX窓は型ガラスを使用して、外からは見えない工夫も。
2階建てよりも外との距離が近くなる平屋は、窓の位置や大きさには特に配慮が必要です。
こちらの実例ではベッド側にも高窓が設置され、プライバシーを確保しながらも、採光・換気ができる設計となっています。
吹き抜けや広いリビングが特徴のこちらのお住まいは、寝室も明るく広々とした空間に。
白い壁に、ナチュラルなインテリア、シーリングファンの照明など、さわやかな印象を与える寝室の窓には、掃き出し窓と四角い窓があります。
大きな窓から見える景色は、季節の移ろいや天気の変化を感じさせてくれそうですね。
掃き出し窓にはブラインドを採用することで、調光が簡単にできるようになっています。
快適な睡眠に欠かせない寝室の室内環境。今回の記事では、「寝室の窓」に着目して、よくある失敗例をもとに「適した窓の選び方」について解説しました。
寝室の窓は「大きさ」「設置する高さ」「方角」「窓の性能」に配慮することが大切です。
また今回ご紹介したように、カーテンや照明、空調選びも、快適な環境づくりには欠かせません。
その他、間取りや建築予定地の環境も考慮しながら、最適な窓を選ぶのが最良です。
「我が家にはどんな寝室がおすすめなの?」「どんな窓の選べばいいのかわからない」など、家づくりの中でご不明点がありましたら、ぜひ一度ご相談くださいね。
注文住宅 なら追加費用なしで完全自由設計のTATTA!がおすすめ!