Column
コラム

2024.11.01

人気上昇中の「平屋」のメリットとデメリットとは?建てる前に知っておきたいことと建築実例も紹介

ワンフロアで暮らしやすく、シンプルな生活ができる「平屋」。

昔は、バリアフリーの観点からシニア世代を中心に支持されていましたが、近年では世代を問わず平屋を希望する人が増えています。

誰もが憧れる平屋のメリットは大きいものの、実はデメリットもあることをご存じでしょうか?

今回は、平屋を実際に建てる前には知っていてほしいメリットとデメリットを中心に解説します。

平屋の実例も併せてご紹介しますので、平屋のマイホームをお考えの方はぜひ参考にしてみてください。

そもそも平屋とは?

平屋とは、一般的に複数の階層を持たない1階建ての住宅を指します。

リビング・水回り・居室など全ての生活空間が1階にまとまっているため、階段の上り下りをせずに移動がスムーズなのが特徴です。

昔の日本では平屋が中心でしたが、地価の上昇とともに限られた土地で広く建てられる、2階建てが主流となりました。

平屋といえば、昔の懐かしさやお金持ちのイメージがある人もいるのではないでしょうか。

ただ、現代の平屋は時代に合わせて進化しており、機能性やデザイン性も良いため、どの世代からも人気を集めています。

平屋の人気が近年高まっている

少し前まではシニア世代やバリアフリー住宅にしたい人に選ばれることが多かった平屋ですが、今では若いファミリー世代にも選ばれるようになってきており、その人気は上昇しています。

国土交通省のデータによると、2011年には約2万8000件だった平屋の新築件数が、2021年には5万5000件近くにまで増加。

平屋への関心が高まっている背景には、やはりライフスタイルの変化が大きいといえます。

コロナ禍によりリモートワークが普及したことで、必ずしも都心の近くに住む必要がなくなり、郊外のゆとりある土地に平屋を構える人が増えてきました。

また、令和2年の国勢調査によると1世帯あたりの平均人数は約2.2人。核家族化に加えて、少子化や高齢化などにより世帯が小規模化しています。

そのため、昔のように広い家を求めず、むしろ効率的なコンパクト住宅を望む家庭が増えています。

構造が安定している平屋は、耐震性が高いことからも安全面で支持され、子育て世帯や高齢者の住まいとして安心して暮らせるところも人気の理由でしょう。

平屋が持つ6つのメリットとは?

では、人気上昇中の平屋は、実際にはどんなメリットがあるのでしょうか。

代表的な平屋のメリット6つをご紹介します。

動線がシンプルで生活がコンパクト

平屋の大きなメリットの1つが、動線がシンプルでコンパクトなことです。

動線とは、生活する上で家の中を行き来するルートのこと。動線がうまく設計されていると、家のなかでの移動がスムーズになり、毎日の負担が軽減されます。

平屋はすべての部屋が1階にあるため、階段を上り下りする必要がなく、家の中のどこへ行くにも距離が短く済むのが大きな特徴です。

たとえば、キッチンとリビングダイニングが近ければ料理から配膳までをスムーズに行えますし、洗面所やお風呂もリビングから近い距離にあれば、掃除・洗濯・毎日の入浴なども手軽です。

シンプルで無駄のない動線設計のおかげで、平屋では家事効率が上がり、ほとんどの家庭が共働きともいえる現代でも快適に暮らせる住まいとなっています。

家族との繋がりを感じやすい

家族との繋がりを感じやすいところも平屋の大きなメリットです。

平屋では、すべての生活空間がワンフロアに収まっているため、家族同士が自然と顔を合わせる機会が増えます。

リビング・ダイニング・キッチンなどの共有スペースを中心に、どの部屋にもアクセスしやすいので、家族それぞれが何をしているかが分かりやすく声をかけやすい環境が整っているといえるでしょう。

子どもが小さいうちはもちろん、思春期を迎えて自分の部屋で過ごすことが増えたとしても、ふとした瞬間に顔を合わせる機会があれば自然とコミュニケーションが生まれることも少なくありません。

また、子どもが巣立った後も、平屋のコンパクトな動線ならシンプルで無理のない暮らしを続けられるのも平屋の魅力です。

メンテナンスコストが抑えられる

平屋を2階建ての住宅と比較したときに、メンテナンス費用を抑えやすいのもメリットです。

住宅を長期に渡って維持していくためには、定期的なメンテナンスや修繕が欠かせません。

平屋でも2階建てでも同じ頻度でメンテナンスは必要ですが、平屋のメンテナンスコストを抑えやすい理由として面積が少ないことが挙げられます。

2階建てに比べて平屋は、外壁などの面積が小さいため塗装や防水工事にかかる費用が少なく済みます。

また、建物の高さが低いので、修理や点検に際して高い足場を組む必要もなく、作業費用も大幅に抑えられる可能性は高いです。

住宅を維持する負担を軽減してくれるため、コストを抑えて長く住むことを考えている人にとって大きな魅力といえるでしょう。

バリアフリーに移行しやすい

平屋は、バリアフリーへの移行をしやすいのも大きなメリットです。

ワンフロアで全ての生活を完結できる平屋は、移動がスムーズで段差も少なく、バリアフリーへの対応に適した構造です。

小さな子どもにとっても、つまずく・落ちるなどのリスクが減るため安全な空間だといえます。

また、将来的な暮らしに合わせて手すりを取り付けたり、ドアを引き戸に変更するなどのリフォームだけで済むのも平屋ならでは。

すでに階段を上り下りしない中での生活が完結しているので、改装時に大掛かりな工事になりにくく、効率的にバリアフリー化ができるでしょう。

設計の自由度が高い

平屋は、設計の自由度が高いところもメリットです。

2階建てに比べて構造的な制約が少ないため、部屋の配置や窓の位置などを自由に計画しやすく、施工主の考えたレイアウトが形にしやすいのが特徴。

特に、平屋ならではの大きな特徴である「小屋裏」を趣味や収納のスペースとして活用できるのがポイントです。

小屋裏は、日常的に使わない物の収納に活用できるだけでなく、隠れ家的な趣味の空間としても人気。

平屋の空間を有効活用する方法として、最近では小屋裏の天井を高く設けて、半階層分にプライベートな空間を作る設計も注目されています。

こうした自由な発想が活かせるのも、平屋の醍醐味といえるでしょう。

防災面で安心がある

平屋のメリットの1つとして、防災面で安心があるところが挙げられます。

平屋は全ての生活スペースが1階にまとまっているため、地震や火事など万が一のときでも素早く外に避難しやすいのが特徴です。

階段を使う必要がないので、小さな子どもやお年寄りがいる家庭でも安心感があります。

また、平屋は建物全体の重心が低く、構造もシンプルなので、地震による揺れを受けにくいのもメリット。

防災面を考えたときに安心感と安定感があるのが、地震の心配が多い日本で人気が高まっている理由でもあるでしょう。

平屋の5つのデメリットとは?

マイホームを持つにあたって、たくさんのメリットがある平屋ですが、実はデメリットもいくつかあります。

代表的なデメリットを5つ紹介しますので、平屋を検討中の方はメリットと照らし合わせながら参考にしてみてください。

広めの土地が必要

平屋のデメリットとして、広めの敷地が必要になることが挙げられます。

たとえば、2階建てと同じ広さの住宅を平屋で建てようとすると、1フロアに全ての生活スペースを収めることになるため、土地の広さが単純に2倍必要になります。

都市部や土地の価格が高いエリアでは、コスト面で平屋を建てるのが難しくなることも多いでしょう。

また、土地に対する建物の面積が増えることで建ぺい率による影響も。

建ぺい率とは、敷地面積に対して建物が占めてよい面積の割合を示す規定のことで、住宅は地域に定められた建ぺい率を超えないように建てなければなりません。

建ぺい率の制約が厳しい地域や、敷地が限られている場所で平屋を建てようとすると、理想のマイホームを作りにくくなることは大いにあるでしょう。

建築コストや税金が高くなる

2階建てよりもコストが嵩むことも平屋のデメリットです。

平屋は全ての生活スペースをワンフロアに収める必要があるので、建物を支える基礎部分の面積も同時に大きくなります。

基礎工事は建物の安定性に直結する欠かせない部分なため、広く作ることになればコストも高くなりがちに。

地盤の強化が必要な土地では、さらに費用が加算されコストが嵩むケースもあります。

また、広い敷地が必要な平屋では、固定資産税などの税金も高くなりやすいです。

固定資産税は、基礎部分が広くなるにつれて資産価値が高いと判断される傾向にあるため、平屋に必要な敷地の広さに対する税金と合わせると、2階建てよりもかかる税金も多くなります。

平屋を建てる際は、単純な建物面積だけでなく、毎年かかる税金についても覚えておきましょう。

プライバシーや防犯面に不安が生じやすい

防犯面への不安も平屋のデメリットの1つです。

平屋は、全ての居住空間が1階にまとめられており、窓や出入り口が外に面しているため、外部からの侵入経路が多くなりやすい造り。

特に、窓を多く間取りに設けていれば、2階建てに比べて防犯性は低いと感じる人も多いでしょう。

また、平屋は屋内から外を見渡しやすいぶん、外部からの視線も入りやすく、プライバシーの確保にも少し工夫が必要です。

防犯カメラやセンサーライトなど、セキュリティ面・プライバシー面に際しては何かしらの対策が必要ですが、設備を整えるのにコストがかかるのもデメリットといえます。

周辺環境によっては日当たりや景観を損なう可能性がある

周辺の環境によって景観が損なわれてしまう可能性があることも平屋のデメリットとして挙げられます。

平屋は建物の目線が低いぶん、周りに高い建物があると日当たりや眺望が遮られます。

たとえば、隣が2階建てやマンションなら、窓から見えるのは隣の家の壁ばかり。立地によっては平屋ならではの開放感が活かせない環境も少なくありません。

平屋は、周りの状況に魅力が左右されやすいため、マイホーム建築に当たっては立地選びがかなり重要になるといえるでしょう。

水害や床下浸水が起きれば家中が水浸しになる

水害や床下浸水で家全体が水浸しになりやすいところも、平屋のデメリットとして挙げられます。

平屋は、生活スペースの1階に集まっているため、もし大雨や川の氾濫などで床下にまで水が入ってくれば、住宅だけでなく家の中にある家具・家電類すべてに被害が及びます。

また、2階建て以上であれば水害に際して家の中で安全な場所を確保しやすいですが、平屋だとその選択肢はありません。

水害のリスクがある地域で平屋を建てるなら、災害対策を考えた設計や立地選びが重要となります。

結局のところ平屋と2階建てはどっちがいい?

平屋と2階建てどちらにもメリット・デメリットがあるため、どちらにすべきか迷っている人も多いでしょう。

ここからは、平屋に向いている人と2階建てに向いている人をご紹介します。

平屋が向いている人

平屋には、次のような人が向いています。

  • 将来的にはバリアフリーにしたい
  • 開放的で広々とした空間が好き
  • 家事や移動をラクにしたい
  • 土地や予算に余裕がある

平屋は、階段がなく1フロアにまとまっているので、お年寄りや小さな子どもがいる家庭には安心できる住まい。

生活の動線もシンプルなので、洗濯・掃除などの家事による移動が少なく済み、「日常の負担を少しでも軽くしたい」という人にはぴったりです。

また、天井を高くしたり、大きな窓を設置することで開放感を楽しめるのも魅力。外の景色を眺めながらのびのび暮らしたい人には理想的な空間です。

ただし、どうしても広めの土地が必要になるため、郊外で広い敷地が確保できる人や、マイホームの建築費用に余裕がある人にはより向いているといえるでしょう。

2階建てが向いている人

2階建てには、次のような人が向いています。

  • 限られた土地で広い居住スペースが欲しい
  • プライバシーを重視したい
  • 家族が多いけどそれぞれの部屋を確保したい
  • 眺望や日当たりを大切にしたい
  • 予算が限られている

2階建ては、限られた土地の中でもゆったりとした居住スペースを確保したい人に向いています。

特に、都市部や土地が狭いエリアでも、2階建てにすることで十分な部屋数や広さを設けられるが魅力です。

また、2階建ての窓からは景色がよかったり、日当たりがいいなど平屋では得られない開放感も楽しめます。

2階建ては「土地を最大限に活かして広い住まいが欲しい」という人に特に向いているといえるでしょう。

平屋住宅の建築実例を紹介

ここからは、当グッドリビングが実際に施工した平屋の実例をご紹介します。

理想の平屋のイメージを膨らませる参考にしてみてください。

木目調のドアがおしゃれな平屋

スタイリッシュなネイビーを基調とした外観に、木目調のドアが映える平屋の実例です。

家具や内装はヴィンテージ調にトータルコーディネート。タイル張りされた柱が目を引くおしゃれな空間に仕上がっています。

シンプルで無駄のないコンパクトな平屋

ダークトーンを基調とした外観に、木目調のドアがかっこいいい平屋の実例です。

内装はホワイトを基調としつつも、ダークトーンを織り交ぜることで落ち着いた雰囲気にトータルコーディネート。大人を感じる空間に仕上がっています。

開放感のある勾配天井で明るい平屋

ホワイトを基調とした外観に木目調のドアをプラスすることでナチュラルな印象に。

平屋の高い天井を活かした明るい空間と、木の温もりでホッとする雰囲気のリビングです。

まとめ

今回は、平屋のメリットとデメリットを中心に解説しました。

将来的にも生活の効率がいい平屋での生活は、みなさん憧れますが、コスト面・防犯面などのデメリットがあることも知っておいてほしい部分です。

ただ、平屋はデメリットに比べてメリットが大きいため、条件が整えばどの世代でも暮らしやすい住環境が叶うでしょう。

当グッドリビングの平屋生活でも、暮らしやすい住環境が整う平屋でのプランをご提案しています。

限られた予算内で平屋を建てたいとお考えの方は、ぜひ1度ご相談ください。

PAGE TOP
ページトップ