SNSなどで目にするおしゃれな家は、ドアの高さが天井までの「ハイドア」を採用しています。
通常のドアよりもすっきりとした印象を与え、洗練された空間に見せる「ハイドア」は、注文住宅の中でも人気です。
その中でも、多様な使い方ができる「引き戸」はとくに注目されています。
そこで今回はハイドアを引き戸にするメリットやデメリットについて詳しく解説。
また設置に適した場所もご紹介します!
間取りを考える上でも重要なポイントですので、ぜひチェックしておきましょう!
目次
ハイドアとは、通常よりも高さのあるドアのことを指します。
一般的なドアの高さが約2000㎜に対し、ハイドアでは2400㎜~2700㎜で、その多くは天井に合わせて高さを決めます。
「フルハイドア」とも呼ばれており、開き戸、引き戸、折れ戸など、さまざまな種類があります。
ハイドアを設置すると、壁と天井に一体感が生まれ、空間をより広く感じさせる効果があります。
また、天井が低くても縦のラインが強調されるため、空間が視覚的に広がって開放感が増し、モダンで洗練された印象を与えます。
片引き戸は、戸を左右のどちらかにスライドさせて開閉する引き戸です。
開けた際には戸を収納する壁が必要で、開閉方向は一方向のみとなります。
スペースを効率よく活用できるため、狭い部屋やトイレなどに使われます。
引き違い戸は、2枚以上の戸をスライドさせて開閉する引き戸です。
左右どちらからも開閉でき、物の出し入れや出入りがしやすいのが特徴です。
主に隣接した部屋同士の間仕切りや、押し入れなど収納の戸として使用されます。
ただし戸が重なり合うため、開口部を部分的にしか使えないというデメリットもあります。
また上下に戸2本分のレールを設けなければならないため、壁やドア枠が分厚くなります。
引き込み戸は、壁の中に戸を収納できるタイプの引き戸です。
戸が壁内に隠れるので、開口部を広く取れ、見た目もすっきりとした印象を与えます。
また戸を開けたままでも、邪魔にならず、壁を有効に使えるのも特徴です。
ただし、内部に戸を収納するための壁が必要なことや、壁内にゴミがたまりやすいというデメリットもあります。
ハイドアを引き戸にすることで得られるメリットは、単なる出入り口だけではなく、一時的な目隠しとして使用できるという点があります。また快適性や利便性にも優れているので詳しくご紹介します。
一般的なドアでは上部に垂れ壁(下がり壁)があるので、ドアの上部に枠が生じます。
しかしハイドアは垂れ壁がないので、ドア枠を減らせるため、よりシンプルなデザインが可能です。
また縦長効果により、空間が高く広く見えるという利点もあります。
さらに引き戸なら、壁側に戸を収納できるので、開口部を広く取ることが可能に。
開き戸のように丁番もないため、閉じた状態でも壁と一体化し、視覚的にもすっきりとした印象を与えます。
ハイドアは開口部の高さを利用して、ソファや冷蔵庫など大型家具・家電の搬入がしやすいのも特徴です。
垂れ壁がない分、上の方まで物を収納でき、出し入れもスムーズに行えます。
さらに開き戸は開けた時に、戸の厚み分のデッドスペースができますが、引き戸は壁や壁の内部に戸を収納するので、間口を広くとれます。
また引き戸は平行移動するので、狭い廊下でも邪魔になりにくいのもメリットでしょう。
ハイドアは縦長方向に壁を抜けるので、より多くの光や風が入りやすくなります。
さらに引き戸なら、好きな位置に戸を止めておけるので、開き具合も調整できます。
たとえ開けっ放しにしても、風でバタンと閉まることはありません。(開き戸もソフトモーション機能があれば、ゆっくりと閉まります)。
引き戸には、戸の上部に設置されたレール(吊りレール)に戸を吊り下げて開閉するタイプの上吊りタイプもあります。
これは戸全体を上部のレールで支えるため、床にレールを設置する必要がないのが特徴です。
そのため床に凹凸ができず、すっきりとした印象を与えます。
また、床がフラットなので、掃除がしやすいのもメリット。
溝にたまったごみを掃除する必要がありません。
車いすでの移動や、転倒のリスクも防げるので、高齢の方や小さいお子さんがいるご家庭も安心です。
引き戸のメリットとしては、戸の開け閉めがしやすいこともあげられます。
これは多くの引き戸に設置されている戸車が戸の重さを軽減しているためです。
軽い力でスライドさせるだけでも開閉するので、車いすの方や小さなお子さんも簡単に操作ができます。
ハイドアを引き戸にするメリットがある一方で、費用面や気密性などのデメリットもあります。設置してから後悔しないように、しっかりと確認しておきましょう。
ハイドアは標準サイズのものと比べて、材料費や施工費がかかります。
また引き戸はレールや戸車といった部品が必要なため、開き戸に比べて数万円ほど高い傾向にあります。
引き戸は開き戸よりも、室内の空気や音が漏れやすいのもデメリットといえます。
これは、戸をスムーズに開閉するために、引き戸と壁の間には隙間があるためです。
ただし開き戸にも、換気用の隙間はドア下にあります。
しかし引き戸よりも密着している部分が多いため、自室の音が廊下にまで聞こえたり、冷気が室内に入ってくることは少ないでしょう。
引き戸は戸を収めておく壁が必要なため、スペースを考慮しながら間取りをつくらなければなりません。
たとえば、トイレは長手方向の壁に戸を付ける必要があります。
スライドされる戸の位置によって、トイレットペーパーホルダーや手すりの位置も配慮しなければなりません。
また戸を収めるための壁には家具や収納が置けないので、別の位置に作る必要があります。
上部にレールがあり、吊車でドアが吊られている上吊りタイプの引き戸は、床がフラットになるため人気がありますが、長く使用していると壊れやすい点も。
「動きが悪いな」と感じたら、レールを滑走する吊車に不具合が生じている可能性があります。
その場合は、戸を外して、部品を取り換えなければなりません。
また戸を勢いよく閉めるといった強い衝撃によって、ガイドピンから外れることも。
ガイドピンとは、引き戸の下部に取り付けられており、ドアの横揺れやブレを防ぐための小さな部品でスムーズな開閉をサポートする部品です。
外れたままにしておくと故障の原因になりますので、引き戸を下から持ち上げて、溝に再びガイドピンをはめ込みましょう。
引き戸は上下のレールを滑走するので、ゴロゴロと低い音が生じます。
作業の妨げになるほどの大きな音ではありませんが、頻繁に開け閉めすれば気になるかもしれません。
また小さいお子さんは力の加減が難しいため、また勢いよく戸を閉めてしまい、衝撃音や故障の原因になることも。
そのような場合は、戸が閉まる直前にブレーキがかかり、ゆっくり閉まるソフトクローズ機能を付けておくと良いでしょう。
音や故障だけでなく、指を挟んでケガをするリスクも少なく済みます。
ハイドアの引き戸を設置するなら、動線が混雑しがちな場所や、空間を区切りたい場所におすすめです。以下は代表的な例ですので、ぜひ家づくりの参考にしてください。
リビングの入り口や隣接する部屋の間仕切りとして使用します。
天井まで高さのあるハイドアを設置すると、リビングのスペースが限られていても、開けた時は天井が高く感じられ、明るい雰囲気に。
閉じた時は壁と一体化し、シンプルで洗練された印象を与えます。
また使用する色や素材によっても、もたらす効果は多様です。
たとえば、白い壁に濃い色の戸をアクセントとして使えば、空間にメリハリができ、高級感を演出できます。
ガラス素材を使えば、閉じた状態でも圧迫感を感じさせず、スペース以上の奥行きを感じられるでしょう。
また狭小住宅など、廊下をなくして部屋の広さを最大限にしたい場合には、隣接する部屋との仕切として、ハイドアの引き戸が役立てます。
キッチンのパントリーや背面収納にも、ハイドアは有効です。
狭いスペースでも開け閉めができ、調理中でも邪魔にならずに、物の出し入れができます。
また急な来客時もさっと戸を閉めれば隠せるので、乱雑になりがちなキッチン周りもすっきり見せられます。
【グッドリビングのおしゃれな事例も】キッチンの背面収納は失敗する?選び方のコツや後悔しないための対策を解説
子ども部屋を設ける場合は、必要に応じて部屋の仕切りとして使うことも多いです。
子どもが小さいうちは部屋間の戸を開けっ放して、広い遊び部屋として使えます。
個室にしたいときは、戸を閉めれば簡単に仕切れるので、とても便利です。
子どもが独立した後は、収納や趣味部屋としても使えます。
トイレや洗面所、ランドリールームといった水回りにもおすすめです。
水回りは朝の忙しい時間帯などに混雑しがちですが、狭いスペースでもドアとドアが干渉せずに済みます。
また、引き戸なら換気もしやすく、下のレールもなくせば掃除もラクになります。
今回の記事では、引き戸をハイドアにするメリットとデメリットを解説しました。
天井まで高さのあるハイドアは、閉じた時には壁と一体化し、開いたときは開放感を与えます。
ドア枠が少ないため、スタイリッシュな空間づくりには最良です。
また引き戸にすれば、開き戸よりもさらに広い開口が得られるため、大型家具や家電の搬入出がしやすいのもメリット。
出入口としてだけでなく、収納を隠す一時的な目隠しとしても有効です。
また上吊りタイプにすれば床がフラットにもなり、掃除のしやすさといった利便性も高まるでしょう。
ただし気密性に劣るため、冷気や音が室内に入ってくることも。
寝室など就寝する場所には快適性を損なう可能性もあるので注意しましょう
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