2024.10.22
省エネ性の高さからエコキュートの需要は年々高まる一方で、SNSでは「エコキュートはやめておいたほうがいい」と後悔する声もあります。
そこでこの記事では、そう言われてしまう理由や、その対策について解説します。
また多くの人にエコキュートが選ばれているメリットや、購入する際におさえておきたい選び方もご紹介します。
家づくりでエコキュートの導入を検討される方には、有益な情報ですので、ぜひ今後の参考にしてください。
目次
エコキュートは、「ヒートポンプ技術」を活用してお湯をつくる、給湯システムです。
「ヒートポンプ技術」とは、空気中の熱を取り込んで圧縮し、高温にするもの。
その熱を利用して、水をお湯にするしくみです。
少量の電力で効率的に水を加熱するため、光熱費も抑えられます。
またエコキュートは大気中の熱を利用してエネルギーを作るので、環境にも優しいのも特徴。
手動で給湯する「給湯専用」タイプと、自動でお湯張りができる「セミオート」タイプ、お湯張りから追い炊きまで可能な「フルオート」タイプがあります。
エコキュートの購入を後悔してしまう原因には、以下8つの理由が考えられます。
エネルギーを効率的に利用してお湯を作る高効率給湯器の中でも、エコキュートは高額であり、初期費用が必要です。
以下は高効率給湯器の費用相場一覧です。
名称 | タイプ | 仕組み | 初期費用相場 ※設置費用込 |
エコジョーズ (ガス給湯器) | 循環型 | ガスの排熱を利用してお湯をつくる | 20~40万 |
エコキュート (電気給湯器) | 貯湯型 | 電気(ヒートポンプ)でお湯をつくる | 40~70万 |
エネファーム (家庭用燃料電池) | 貯湯型 | ガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて、発電 その熱でお湯をつくる | 170~230万 |
エコワン (ハイブリッド給湯器) | 貯湯型 | 電気とガスでお湯をつくる (エコジョーズ+ヒートポンプ+貯湯タンク) | 50~90万 |
高効率給湯器は初期費用がかかりますが、省エネ性が高いので、ランニングコストを抑えられます。
長期的に使用すればお得になりますので、トータルコストで検討することも大切です。
エコキュートは、大気中の熱を取り込んで圧縮する「ヒートポンプユニット」と、温めたお湯を貯めておく「貯湯タンク」が必要です。
さらに空気を安全に取り込めるよう、周囲には障害物がなく、風通しが良い場所を選ぶ必要があります。
またヒートポンプが稼働する際には、多少なりとも音が生じます。
音の大きさは、40db~50db程度と言われており、窓を閉めた状態で外から聞こえる車の走行音や、軽い雨音のような大きさです。
この範囲の音は、通常の生活では騒音と感じるほどではありませんが、エコキュートは深夜に稼働することが多いため配慮が必要。
個人差や周囲の状況によっては気になる場合もありますので、設置場所には周辺環境も含め、よく確認しておきましょう。
エコキュートは貯湯タンクのお湯を使いきると、湯がでなくなってしまうこともあります。
お湯切れになってしまうと、貯湯タンクを満タンにするためには7~8時間かかります。
こういった事態を防げるよう、いつもより多く使用した際には残湯量を確認し、「沸き増し」するようにしましょう。
しかし頻繁に沸き増しをすれば、その分電気も消費します。
お湯の使用量によって不便さを感じる点は、エコキュートのデメリットといえるでしょう。
エコキュートのデメリットとして、「シャワーの水圧の弱さ」も挙げられます。
これはエコキュートのような「貯湯式」タイプの給湯器が、貯湯タンクの耐えられる水圧に減圧してからお湯を供給するためです。
直圧式のガス給湯器は500KPa程度ですが、通常のエコキュートの水圧は190KPa程度であり、水圧にかなり差があります。
そのため、ガス給湯器をこれまで使っていたご家庭では、差を感じるかもしれません。
エコキュートの貯湯タンク内のお湯は日々入れ替わっていますが、長く使用していると、水道水の中に含まれる不純物が付着や沈殿している可能性があります。
もちろん高温に沸き上げられているので、ほぼ滅菌状態にはなっているものの、エコキュートで作られたお湯は飲用不可とするメーカーが多いです。
エコキュートの機種やメーカーによっては、使用できる入浴剤を制限しています。
たとえば、セミオートタイプや給湯専用タイプであれば、入浴剤が使えますが、フルオートタイプは注意が必要です。
【相性の悪い入浴剤】
にごり・とろみ成分 | 成分が配管内に蓄積されると配管内で詰まり、故障の原因に |
発砲成分 | 配管内部に取り付けられたセンサーが反応し、誤作動を起こす |
硫黄・酸・アルカリ・塩分 | 配管に錆びや腐食が起こる(とくに硫黄入りは少量でも注意が必要) |
固形・パウダータイプ | 循環口に取り付けられたフィルターが目詰まりを起こす(お湯に溶けると、おもちゃが出てくるタイプも注意) |
にごりのないものなど使用可能なものもあるので、各メーカーが推奨する入浴剤を確認してから使うのがおすすめです。
使用後は、通常のお湯と異なった成分を洗い流せる「自動配管洗浄」を「入」にしておきましょう。
エコキュートは夜間にお湯を作るため、電気料金プランを深夜帯の電気代が安いプランにすれば、さらに光熱費を節約できます。
しかし、昼間の在宅時間が長いご家庭や、子どもが夏休み期間の場合は、光熱費が割高になってしまうことも。
生活スタイルにあったプランをよく検討する必要があります。
エコキュートを長く使用するためには、定期的なメンテナンスが必要です。
衛生面だけでなく、故障などのトラブルを防ぐためにも、お手入れは必要です。
結果的に買い替えや交換費用も抑えられるので、ぜひ忘れずに行いましょう。
具体的には、浴槽の循環口に取り付けられたフィルターの目詰まりを防ぐために、週に一度は洗浄しましょう。
また、長期的に使用すると貯湯タンク内に不純物が沈殿することもあるので、タンク内の水を抜きすることも重要です。
水抜きは年2、3回を目途に行いましょう。
エコキュートに対する不満の声がある中でも、多くの方が採用するのは、エコキュートならではの大きなメリットがあるから。ここでは3つにまとめましたので、詳しく見ていきましょう。
エコキュートの最大のメリットは、「ランニングコストが圧倒的に安い」ということ。
エコキュート なら 、電気代を約3分の1まで抑えられます。
つまり、一般的なガス給湯器の光熱費が年間9万円前後と言われていますが、エコキュートにすると約3万円の電気代で済みます。
初期費用はかかるものの、効率よく使えば十分に回収でき、とても経済的です。
エコキュートは省エネ性が高く、環境に配慮した優れた製品であることから、購入・設置費用に対し、国からの補助金が受けられます。
2024年の給湯省エネ事業は、エコキュートを含むヒートポンプ給湯機が、1台につき8万円の補助金が支給されます。
また性能が加算要件を満たしていれば、最大5万円の補助額がプラスされます。
申請は建築事業者が建築着工前に行い、予算が上限に達するまで受付可能です。
エコキュートは、太陽光発電システムと相性が良いのも特徴です。
太陽光発電システムで発電した電力を使用してエコキュートを稼働させれば、光熱費をさらに節約できます。
また、太陽光発電システムとの連携を前提としている「おひさまエコキュート」なら、通常のエコキュートよりも、さらにお得になることも。
電力会社のおひさまエコキュート専用のお得な電気料金プランが受けられるほか、太陽光発電で余った電気を活かして、発電量が多い昼間でもお湯を沸き上げられます。
日中でも電気を多く使うご家庭でも、時間帯を気にせずに使用できます。
自家発電なので、電気代の高騰に影響もされにくいのも多いなメリットといえるでしょう。
ガスを使った給湯器と異なり、エコキュートは電気を利用してお湯を沸かすため、火災リスクを低減させることが可能です。
キッチンのコンロをIHクッキングヒーターにしたオール電化住宅にすれば、さらに火事の危険は避けられるでしょう。
小さなお子様やシニア世帯がお住まいのご家庭でも、安心して暮らせます。
電気が必要なエコキュートですが、停電時でも非常用として使用可能です。災害時に役立つ情報ですので、しっかりと確認しておきましょう。
エコキュートは電気で稼働しますので、停電・断水中はお湯を沸かすことはできません。
ガス給湯器も電源を使用しているため、停電・断水中は給湯器の機能を使えません。
しかしエコキュートの場合は、貯湯タンクユニットがありますので、タンク内からお湯を取り出すことは可能です。
370Lの貯湯タンクユニットなら、2Lのペットボトル約185本分に相当が使えます。
ただしタンク内の温度のままお湯が出るため、沸き上げした直後などは高温に注意しなければなりません。
またエコキュートのタンク内の水は飲用には適していないので、生活用水として使用しましょう。
エコキュートは自家発電ができれば、停電中でもお湯が使えます。
さらに蓄電池があれば、発電できない夕方から夜間の時間帯もカバーできます。
またエコキュート以外にも、冷蔵庫や照明など生活に必要な家電も使用可能です。
東日本大震災の場合、ライフラインの復旧までに、電気が1週間程度、ガスが5週間程かかったケースも。
もしライフラインが途絶えてしまっても、復旧までに対応できるようにしておけると安心ですね。
エコキュートにはさまざま種類がありますが、購入する際には、おさえておきたいポイントがあります。ここでが5つご紹介します。
エコキュートのタンク容量は、家族構成など使用量に合わせたものを選びましょう。
目安としては、2~3人家族ならば370L、4~5人家族は460L、6~7人家族なら550Lがおすすめです。
ただし、一人当たりのお湯使用量が多い場合は、人数を一人プラスして考えるとよいでしょう。
また、エコキュートの種類によっては、AIで湯量をコントロールして、お湯切れを未然に防げるものもあります。
通常のエコキュートはお湯の飲用ができないため、キッチンに組み込んだビルトイン浄水器やウォーターサーバーを設置するご家庭も多いです。
その際は電源や給排水工事が必要となりますので、早めに施工業社に伝えるようにしましょう。
また、減圧せずに水道水の圧力のまま給湯できる「水道直圧給湯方式」のエコキュートであれば、シャワーや蛇口からでるお湯は貯湯タンクを通らずに使用できるため、飲用も可能です。
「水道直圧給湯方式」のエコキュートは、メーカによって対応していない場合もあるので、導入を検討する際には事前に確認しておきましょう。
通常のエコキュートでも水圧としては問題なく使えますが、2階にお風呂がある場合は、高水圧タイプのものを選ぶのが最良でしょう。
高水圧タイプなら290~360kpa程度の水圧なので、給湯器から離れた場所での入浴でも、不便を感じることなく使えます。
ほかにも不足している水圧を補ってくれる装置「給湯加圧ポンプ」の導入や、低圧用のシャワーヘッドに取り換えるのもおすすめ。
低圧用シャワーヘッドは、通常よりも水が出る穴が少なく、直線上に水を噴射するような仕組みになっているので、低い水圧でも水の勢いが増します。
また、エコキュートの設定温度を上げて、高温のお湯を適温にする水道水の水圧を利用する方法も。
ただし、熱いお湯で火傷しないように、混合水栓の温度が適切か確かめながら使いましょう。
先述した水道直圧給湯エコキュートも水道水の水圧のまま使えるのでおすすめです。
経済産業省によると、各家庭で消費されるエネルギー量は、エアコンなどの「動力・照明」に次いで、「給湯」が約四分の一を占めていると報告しています。
参考:経済産業省(令和5年度エネルギーに関する年次報告 (エネルギー白書2024)第2部 第1章 国内エネルギー動向)
家計の大部分である「給湯」にかかる消費エネルギーを抑えれば、光熱費の節約にもつながります。
エコキュートは夜間に稼働するので、深夜料金を利用すればコスト削減につながりますが、昼間に電気を多く使う家庭もあるので、一概には言えません。
各ご家庭の生活スタイルにあった料金プランを選択するようにしましょう。
エコキュートは貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットの2つを設置しなければならないため、一定のスペースが必要です。
貯湯容量にもよりますが、角型タイプの平均的な大きさは、高さ1800mm前後、横幅600mm前後、奥行き700mm前後です。
ヒートポンプユニットは高さ700mm前後、横幅850mm前後、奥行350mm前後が一般的です。
また周囲の空気を取り込めるよう、ヒートポンプの前後左右には30~50cmほどあけておく必要があります。
つまり、全体として約1~2平方メートルのスペースがあるとよいでしょう。
また騒音問題を避けるよう、設置場所には隣家への配慮も必要です。
出入り口や窓付近や、反響しやすい場所は避けるようにしましょう。
スペースが十分でない住宅密集地の場合は薄型タイプや静音タイプもありますので、各メーカーで確認しましょう。
今回の記事では、エコキュートが従来の給湯器に比べて懸念される点や、その対策についてご紹介しました。
エコキュートは初期費用の高さなどデメリットもありますが、うまく使えばランニングコストをかなり抑えられるというメリットがあります。
また補助金もあるので、購入費用を抑えることも可能です。
火を使わないので安全面も高いこと、災害時も一時的に使用できることなど、くらいの中でのメリットは数多くあります。
今回ご紹介したエコキュートの選び方も参考にしながら、ぜひご家族のライフスタイルにあった家づくりをしましょう。
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