2024.09.30
住まいの「顔」とも言える玄関。
ドアを開けると最初に目に入る空間は、訪れた人の家の印象を大きく左右します。
家族が使いやすくありつつも、訪れる人には良い印象を持ってもらいたいですよね。
しかし、マイホームの玄関にはどれくらいの広さが適しているのか悩む人も多いのではないでしょうか?
今回は、玄関の広さについてメリット・デメリットを解説するとともに、広く見せるための工夫もご紹介します。
限られたスペースでも使いやすく、好印象な玄関にしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
一般的な戸建て住宅において、標準的な玄関の広さは「約3畳(約1.5坪)」だと言われています。
具体的な縦幅・横幅の長さの理想は、次の通りです。
この広さを最低限確保できれば、窮屈さを感じさせず快適に玄関を使えます。
また、玄関は「土間(たたき)」「ホール」「収納」の3つのスペースで構成されているため、標準的な広さである3畳を各スペースに1畳ずつ振り分けるイメージで作ると良いでしょう。
ただ、家全体の広さによって、ちょうど良い玄関の広さは変わります。
具体的な玄関の広さは、家全体とのバランスに合わせて形作っていくことが大切です。
家族構成によっても、理想的な玄関の広さは変わります。
2人暮らしと5人以上の家族では、必要なスペースや使い勝手に大きな違いが生まれるため、単純に「玄関は広い方が良い」とは限りません。
家族構成や家全体りのバランスに応じた玄関の理想的な広さは、次の通りです。
家族構成 | 家全体の広さ | 玄関の広さ |
2~3人家族 | 25~33坪 | 2~3畳 |
4~5人家族 | 33~40坪 | 3~4畳 |
5人以上 | 40坪以上 | 4畳以上 |
二世帯住宅や子どもの数が多い家庭では、同時に複数の人が靴を履いたり荷物を置いたりする場面も多いため、玄関のスペースにゆとりを持たせるとより快適になります。
特に、朝の出発時間や帰宅時間が重なる家庭では、玄関での渋滞を防ぐためにも少し大きめの設計が理想的です。
ただ一方で、玄関を広く取り過ぎると他の居室が狭くなる恐れもあるため、家全体とのバランスも見ながら、家族の人数や使い方に合わせて設計しましょう。
広い玄関は、混雑がなくインテリアにもこだわれるため人気が高いですが、広い玄関が必ずしも良いというわけではありません。
広い玄関にも、やはりメリット・デメリットは存在します。
広い玄関のメリットは次の通りです。
広い玄関は視覚的にも家の印象が良いですが、単なる出入り口以上の役割も持たせられます。
たとえば、身支度を整えるときに玄関に十分なスペースがあることで、靴の脱ぎ履きや雨具の着脱がスムーズに。
また、傘やベビーカー、自転車といった日常的に外で使うものを置いておくのにも便利です。
広い玄関は、開放感を生むだけでなく、暮らしやすさと機能性を両立させると言えるでしょう。
広い玄関のデメリットは次の通りです。
広い玄関にはたくさんのメリットがありますが、その一方で見逃せないデメリットもあります。
特に、玄関を広く取ることで施工費用があがることと、玄関に多くのスペースを割くことでリビング・居室・収納など他の場所が狭くなること。
結果として、生活動線や部屋のレイアウトに制約が生まれて、家全体の使い勝手が悪くなる可能性もあります。
こうしたデメリットも考慮に入れて、家全体のバランスを考えた上で玄関の広さを決めていくことが大切です。
広い玄関が良いと思うものの、やはり玄関のために確保できるスペースは限られる場合も多いです。
しかし、狭い玄関にはデメリットばかりではなく、メリットもあります。
狭い玄関のメリットは次の通りです。
狭い玄関は、限られたスペースを有効に使うことで、施工費用を抑えられるのが大きなメリットの一つ。
玄関が狭い分、リビング・寝室・キッチンといった他の居住スペースを広く取ることができ、家の中での暮らしやすさはアップします。
また、玄関が狭いと物を置けるスペースが限られてくるため、自然と必要な物しか置かなくなり、結果として整理整頓がしやすくなります。
余計な物が置かれないことで玄関がすっきりと片付き、訪れた人にきちんとした印象を与えられるでしょう。
狭い玄関のデメリットは次の通りです。
狭い玄関は、出入りの面でも不便さを感じる可能性がありますが、最大のデメリットは収納スペースが限られてくることです。
靴や傘、アウトドア用品などの外で使うものを置く場所を確保しづらく、家全体の収納効率は悪くなります。
また、室内に汚れを持ち込みたくない作業…たとえば靴磨きやアウトドア用品の整備などをするときに、玄関内では狭くてできないため、基本的には外で行うことになるでしょう。
玄関に広さはあまりないけど、より広く見せることで訪れた人が受ける印象は良くなります。
ここからは、玄関を広く見せるコツをご紹介していきましょう。
玄関をより広く見せるためには、奥行きではなく間口の広さを確保するのが効果的です。
間口とは、玄関を正面から見たときの横幅のこと。この横幅が広いほど視覚的な広がりが生まれ、実際の広さ以上にゆったりとした印象を与えられます。
たとえば、同じ面積でも奥行き方向に長くて間口が狭いと、どうしても圧迫感を感じやすくなりますが、間口を広く取ることで開放的に感じられ、奥行きに広い場合よりも窮屈さが軽減されます。
身支度や物の出し入れのしやすさもアップして、玄関の実用性も高くなるでしょう。
玄関の空間に奥行きや広がりを持たせるために、大きめの鏡を設置するのは効果的です。
鏡には反射する特性があるので、玄関に置かれている物や空間そのものを映すことで、視覚的に奥行きが感じられるようになります。
反射の効果によって、実際の面積は変わらなくても、訪れた人に対してより広い印象を与えられます。
また、鏡は外出する前の身だしなみチェックや、靴を含めたときのコーディネートチェックにも役立つため、玄関に設置するのはおすすめです。
玄関をより広く見せるためには、シンプルなデザインかつ明るいカラーを選ぶのは効果的です。
シンプルなデザインは余計な装飾が排除し、視覚的な圧迫感が軽減して空間に余裕を感じさせます。
また、白・ベージュ・淡いグレーなどの明るいカラーは光を反射しやすく、玄関全体を明るく色づけるため開放感が生まれます。
特に、玄関・壁・床・収納などのカラーを統一すると、境界が曖昧になり実際よりも広く見えるでしょう。
玄関を広く見せるためには、使わないシーズン物を玄関に置かず、他の場所に収納することが大切です。
季節限定のアイテムを玄関に置きっぱなしにしておくと、スペースが無駄に埋まり、圧迫感が生まれる原因になります。
夏場に使うサンダルやビーチグッズ、冬用のブーツやスノーグッズなどは季節外れの時期には、物置やクローゼットにしっかり直しておきましょう。
吹き抜けなどを取り入れて、開放感を演出すれば玄関をより広く見せられます。
吹き抜けにすることで天井が高くなり、視覚的に奥行きや高さを感じやすくなるため、玄関全体が広々とした印象に。
自然光も取り入れやすくなるので、明るい空間が狭さへの閉塞感も軽減してくれるでしょう。
ここからは、実際の建築実例をご紹介します。
玄関のデザイン性や間口の取り方などに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
玄関にシューズクローゼットを隣接させ、広めに確保された玄関。
シューズクローゼットがあることで、靴が間口にたくさん置かれることがなく、物が出入りの動線をの邪魔になりません。
シンプルながらも、大容量のシューズボックスが備わった玄関。
間口を広く取れなくても、しっかりとした玄関収納を確保することで、靴が玄関口に溜まるのを回避できます。
ライトなカラーを基調とし、明るく広く感じる玄関。
上がり框をドアに対して斜めに設けることで、間口をより広く感じさせることができます。
今回は、玄関の広さのメリット・デメリットや玄関を広く見せるコツについて解説しました。
玄関は広い方がおしゃれな空間を演出できますが、必ずしも広ければ良いとは限りません。
家族構成や家全体とのバランスを考えつつ、家族に合った使いやすい玄関を見つけていくことが何よりも大切です。
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