2024.09.03
住宅ローンを申し込んだものの、審査に通らなかったという経験がある方は意外と多いのではないでしょうか。
せっかくのマイホーム購入の夢が少し遠のいてしまった…と感じますよね。
しかし実は、ローン審査が通らないのには大まかな理由があります。
本記事では、住宅ローン審査に通らない主な理由を詳しく解説し、審査に落ちてしまった場合の効果的な対処法についてもご紹介します。
マイホーム購入においてローン審査を不安に感じている方は、事前に知っておく知識としてぜひ参考にしてみてください。
目次
住宅ローンや自動車ローンなど、ローンを組むためには、必ずローン審査を受けて通過しなければなりません。
住宅ローンにおいては「事前審査(仮審査)」と「本審査」の2段階に分かれて審査が行われ、一般的には以下のような流れで進んで行きます。
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事前審査と本審査の性質は大きくは変わりませんが、本審査では審査する機関や審査の幅が広がります。
住宅ローン審査は、借り手に返済能力や信用力があるかを判断するプロセス。金融機関がさまざまな要素や観点から借り手を評価し、融資して良いかを判断します。
住宅ローンの審査基準は、金融機関によって異なるので一定の基準はありません。
ただ、重視されるポイントは共通している面が多いです。以下は、一般的に考慮される主な審査基準です。
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事前審査と本審査で評価されるポイントは大きく変わりませんが、本審査では「借り手の健康状態」や「購入予定物件の資産価値」なども判断基準に加わり、より精密に借り手を評価します。
ローン審査の期間は、事前審査で翌日から5日、本審査で2週間から1ヶ月程度。
本審査に入れば時間がかかるため、余裕を持ってスケジュールを組み、必要書類の準備や金融機関とのやり取りをスムーズに進めることが大切です。
ここからは、住宅ローン審査が通らなかったときに考えられる理由をご紹介します。
事前審査(仮審査)で通らなかった場合、以下の理由に当てはまることが多いです。
転職が住宅ローン審査においてマイナスになることはありませんが、現職場への勤続年数が短いと、住宅ローンが通らないことがあります。
住宅ローンは返済期間が長期に渡るため、金融機関は借り手の収入の安定性を重要視します。
勤続年数が短いと、収入の安定性や雇用の継続に対する判断が難しいため、信頼度が低く見られる可能性があるのです。
働き方が多様化している近年では、勤続年数を重視しない金融機関も増えていますが、「勤続3年以上」と定められていたり、他の審査基準で高評価を求められることも。
一般的には、ローン審査時点で勤続年数が2年以上が望ましいと言われています。
「収入の不安定さ」は住宅ローン審査に通らない大きな要因の一つになりやすいです。
個人事業主やフリーランスなど、定職に就いていない形態の仕事をしている場合、収入に幅があることが多く、金融機関からは返済能力に対するリスクが高いと判断されてしまいます。
例えば、前年度は大きく黒字でも、今年度は赤字ということもあるでしょう。
金融機関が、個人事業主を「安定した収入がある」と判断するのは、3期連続で黒字を生み出してるかどうか。
住宅ローンを組む予定がある個人事業主の方は、赤字申告に気を付ける必要があります。
他からの借入れがあると、住宅ローン審査に通らない要因の一つとなる可能性が高いです。
住宅ローン以外に借入れがあるところに住宅ローンがさらに加算されると、総借入金額が増え、年収に対する返済比率が大きくなってしまいます。
特に、複数の借入れがある場合や借入金額が高額な場合は、返済負担率が高くなりすぎると見なされ、審査に通りにくくなる可能性は高いでしょう。
年齢も住宅ローン審査で通らない大きな要因となります。
通常、住宅ローンの返済期間は35年もしくは40年と設定されることが多いですが、完済時に年齢が80歳を超える場合、高齢による収入減や医療費の増加が予想され、返済能力に不安が生じると判断されます。
また、ローンを組んだ時点の年齢が高いと、定年後の収入が年金に依存するため、返済額を賄えないリスクも高まるでしょう。
そのため、完済時の年齢が80歳を超える場合は、審査に通らないことが一般的です。
収入に対する借入額が大きいと、住宅ローン審査が通らない可能性は高いです。
金融機関は、借り手の収入に対して過度に大きな借入の申請だと、返済が滞るリスクがあると判断します。
具体的には、返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)が関係しますが、一般的に返済負担率は30%以下が望ましいとされています。
希望する借入額が自身の収入に見合ったものかどうかを事前に確認し、不要な借入れは見直す必要があるでしょう。
住宅ローン審査が通らない要因として、過去に返済を滞納していたなど信用情報にキズがある場合が多くを占めています。
信用情報は多くの金融機関で共有されているため、過去にクレジットカードの支払いや他のローン返済を滞納した履歴があると、金融機関はリスクが高いと判断します。
特に、クレジットカードの不払いや、返済遅延が複数回発生している場合は、返済能力に対する信用が大きく損なわれており、審査に通らない可能性が高いです。
滞納履歴は一定期間(通常5年間)信用情報に残るため、他の金融機関に申請したとしても、すぐにローン審査を通過することは難しいでしょう。
借入れが全くないのは良いことですが、住宅ローン審査においては、返済実績がない場合も信用度が低くなる可能性があります。
金融機関が借り手の返済能力を評価する際には、過去の返済実績で判断します。
しかし、クレジットカードやローンの利用履歴が全くない場合、借り手に関する情報がないため、金融機関は返済能力を正確に判断できません。
その結果、住宅ローン審査が厳しく判断される可能性が高くなります。
審査を通過するためには、クレジットカードや他の少額ローンなどを利用して、適切に返済実績を積んでおきましょう。
ここからは、本審査で落ちた場合の理由をご紹介します。以下の理由に当てはまることがほとんどなので、参考にしてみてください。
事前審査が通れば、本審査ではまた始めから借り手の情報を詳しく審査することになります。
その際、収入や借入状況、自己資金の額などの申告内容が事前審査と大きく異なっていた場合、金融機関は借り手に対する信頼が疑われるため、不正確な情報提供として慎重に判断せざるを得ません。
また、意図的でなくとも、申告内容に誤りや不一致があると、審査が厳しく判断され、ローンの承認が得られなくなることもあります。
事前審査の段階から正確な情報の申告を行いましょう。
持病を患っていたり、治療歴がある場合にローン審査が通らないケースがあります。
住宅ローンの多くには、加入者が死亡や就労不能になった場合にローン返済が免除される「団体信用生命保険(団信)」への加入が義務付けられており、団信に入るためには一定の健康状態が必要です。
つまり、健康であることが加入条件になっている場合も多いのです。
特に、金融機関側でリスクが高いとされる病気や健康状態の場合、保険加入が拒否されるケースも。
審査される病気の内容などは金融機関によって異なるため、事前に不動産会社やハウスメーカーに問い合わせましょう。
購入する予定の物件の資産価値が低いと、本審査で落ちることがあります。
資産価値が低い物件…例えば、築年数が古く老朽化が進んでいる物件や、立地条件が非常に悪く市場価値が低い物件の場合「担保価値」が不十分と判断されることがあります。
住宅ローンにおいての担保とは、融資する代わりに物件を保険にし、返済不能になった際に物件を換金して充当することです。
しかし、物件の価値が低いと、万一の返済不能時に担保を売却しても、金融機関は融資額を回収できません。
そのため、物件選びの際には、資産価値や将来の売却価値を考慮に入れておく必要はあるでしょう。
金融機関は、借り手の収入の安定性を量るために、勤め先の情報も判断基準としています。
勤続年数にも関係しますが、事前審査と本審査で勤め先が変わっていると、収入の安定性や雇用の継続性の判断が難しくなります。
グループ会社への転籍を除いて、審査前・審査中の転職は住宅ローンを組むことが難しくことを覚えておいてください。
住宅ローンでは、これまでにない大きな額を借りることになるため、審査が通るか不安に思う方も多いでしょう。
しかし、事前審査や本審査で落ちないためにできることはあります。
ここからは、住宅ローンを通るための対処法について解説していきましょう。
住宅を購入する際に頭金を多く用意すれば、ローン審査が通る可能性が高まります。
頭金とは、住宅を購入する際に自己資金として支払う初期費用のこと。頭金を多く用意することで、住宅ローンの借入額を減るため、月々の返済負担が軽減されることに。
融資額ももちろん減るため、金融機関にとってのリスクも低下し、審査が通りやすくなります。
頭金が多ければ、利息の支払いも少なくトータルの返済額も減るでしょう。
頭金を多く用意することは、単純にローン審査が通りやすくなるだけでなく、借り手にとって長期的なメリットもあるといえます。
収入に対する借入額が大きいことで住宅ローン審査が通らなかった場合、夫婦の収入を合算してローン申請することも可能です。
この場合、契約者は夫婦どちらか1名となりますが、契約者でない方に万が一が起きた場合は、団信から保険金は支払われません。
契約がそのまま続行し、収入に対して大きいローンが残る可能性があるため注意が必要です。
住宅ローン以外に借入れがあれば、収入に対する返済比率が大きくなってしまうため、住宅ローンを組む際には借入れをできるだけ完済しておくことが大切です。
住宅購入の頭金を増やすことと、他の借入れを完済することを同時に行うのはなかなか難しいため、どちらかを優先的に行いましょう。
いろいろな所からの借入れがあると支払いが複雑になりやすいため、どちらかというと借入れの完済がおすすめです。
住宅ローン審査に通るために気を付けていても、借りる額が大きいため不安も大きいものです。
ここからは、住宅ローンの審査に落ちたときによくある質問をご紹介していきましょう。
住宅ローン審査に落ちた場合は、他の金融機関も検討してみましょう。
住宅ローンの審査が通る条件は金融機関により異なっており、ある金融機関では審査落ちしたとしても、他の金融機関では審査が通る可能性も大いにあります。
また、借入れなどを完済して条件を整えた後に、同じ金融機関に再度申請する方法もあります。
申請ができるのは1度きりではないため、金融機関にどうしてもこだわりがある場合でも何度もチャレンジは可能です。
住宅ローン審査に通らないのに絶対はありませんが、今回ご紹介した理由に複数当てはまる方は審査が通らない可能性はかなり高いでしょう。
住宅ローン審査は「しっかり返済できるか」を金融機関が判断するために行われます。
そのため、まず自身の財務状況や信用情報を理解しておくことが大切です。
住宅ローン審査が落ちた理由は、基本的に教えてもらえません。
金融機関のローン審査基準はほとんどが非公開です。ゆえに、自分がローン審査に落ちた場合は、推測される要因を洗い出して、自己判断で改善していくしかありません。
住宅ローン審査を申し込めば個人信用情報に記録されるため、手当たり次第に申請を行うのはあまり良くありません。
1度審査落ちすれば、他の金融機関でも落ちていることが分かるため、審査はより厳しくなる可能性があるでしょう。
ただ、事前審査の時点では信用情報に特に影響はありません。審査が不安なら、最初の段階で複数に申し込んでおきましょう。
今回は、ローン審査が通らない理由と対処法についてご紹介しました。
マイホーム購入には、住宅ローンを組む必要がある人がほとんどのため、審査落ちで資金の見通しが立たないと、なかなか先に進めず不安になるものです。
審査で落ちてしまう理由は、自身で洗い出していくしかありませんが、現状を把握して最適なタイミングで再度申請に臨みましょう。
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