2024.08.29
家づくりを考えたときに、収納スペースの確保は欠かせない要素の一つ。
しかし、収納をたくさん確保したいとは思うものの、他の生活スペースが狭くなってしまう…と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
そんなときに、目安となるのが「収納率」です。
家の広さと収納率を照らし合わせて考えれば、マイホームにはどれくらい収納スペースがあれば良いかが見えてきますよ。
今回は、収納率について紹介しつつ、各収納スペースに必要な理想の広さについて解説します。
収納スペースがどれくらい必要か悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
収納率とは、住宅の面積に対する収納の面積が占める割合のことで、「収納面積÷総床面積×100」の計算式で求められます。
住宅に対して、収納スペースが狭すぎると物が生活スペースに溢れて過ごしにくくなり、逆に広すぎると生活スペース自体が狭くなってしまいます。
そのため、収納スペースに適切な広さをを確保することは、快適な住まいをつくる基盤の一つです。
家族構成によっても必要な収納スペースの広さは変化しますが、理想的な収納率は戸建てで10%~15%、マンションで8%以上といわれています。
たとえば、30坪(約100㎡)の総床面積の場合、3坪(約9.9㎡)~4.5坪(約14.8㎡)が目安。1坪が約2帖程度なので、帖数でいうと6帖~9帖です。
理想的と言われている10%~15%はあくまで目安なので、たくさんの洋服や大型の持ち物があったり、反対に最低限の物しかない場合など、人によっても必要な収納は大きく変化します。
ただ、マイホームにどれくらいの収納スペースが必要か知っておくと、間取りを考えていく上で役に立つでしょう。
満足度の高い収納を作るには、収納率だけを気にしておけばいいわけではありません。
ここからは、収納を作る際に気を付けておくべき3つのポイントについて解説します。
満足度の高い収納を作るには、収納場所との距離感を意識することが大切です。
たとえば、日常的に使うアイテムは取り出しやすい場所に収納するのが理想。
お出かけの鞄などは玄関に、大型の調理器具でもキッチン近くなど、収納場所と使用場所の距離を意識すると動線がスムーズに確保できます。
そのため、玄関付近に小さいクローゼットや脱衣所横にファミリークローゼットを設けるのは、動線においてとても効率が良い作りです。
どこで何を使うのかを考えて、生活動線に合わせた場所に収納を設けることを意識しましょう。
いろいろ入れておきたい場所だからこそ、物の出し入れのしやすさがやはり大切です。
使いたい物がすぐに取り出せるように収納場所の高さや配置への工夫が求められますが、特に日常的に使う物は手の届きやすい位置に収納できるのが理想。
一方、日常的には使わない季節の物やアウトドア用品は、奥のスペースでも問題ありません。
収納内の使い方ひとつで使いやすさもアップするので、作り付けの棚やハンガーラックの位置も意識してみてください。
収納を作る際には、主に収納する物を明確にしておきましょう。
収納内でいろいろな物が雑多に置かれていたら、収納内が全く片付かない原因に。おのずと収納自体も使いにくくなるので、居住スペースにいつの間にか物が散らかりやすくなります。
また、居住スペースや収納内で物が散乱してしまうのは、収納場所が明確に決まっていないからです。
収納の中でも主に収納するものを明確にして役割を決めることで、動線を意識した収納を作りやすくなり、自然と物が片付けやすくなるでしょう。
ここからは、収納率から計算した各収納スペースにおける理想的な広さを解説します。
総床面積を30坪(約100㎡)としたときの各収納スペースに割り振る目安の広さもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
最近の玄関には靴を収納するだけでなく、ベビーカー・スポーツ用品など屋外で使う物を収納するパターンも増えています。
中には、鞄やコートを置くクローゼットを一緒に設けたり、帰宅後すぐに手を洗うためのミニ洗面台を設置する場合も。
家族構成にもよりますが、家庭内に子どもが多いほど屋外用品は増える傾向にあります。
そんなシューズクローゼットには2帖くらいが妥当でしょう。
最近は、キッチン回りに大きめの収納を確保してパントリーを設置する住宅も増えています。
食品のストック・調理家電・食器など、やはりキッチンは物が増えがちな場所です。
また、捨てる頻度の少ないゴミなどを隠しておけるスペースとして活用されることも多いので、パントリーには2帖程度を考えてみましょう。
ヒーターなどの季節家電や、鯉のぼりなどの行事の物、その他普段は使わないけど残しておきたい物などの収納も必要です。
比較的使用頻度は少ないですが、大型の物も多いので納戸やファミリークローゼットには3帖くらいの確保を考えましょう。
子ども部屋と主寝室にもそれぞれクローゼットが必要です。ここでは、主寝室+子ども部屋2つあると仮定します。
子ども部屋には、1帖程度の収納が設けられるのが一般的です。
また、主寝室のクローゼットには、洋服だけでなく寝具なども収納する場合も多いのでウォークインタイプを想定して3帖程度を確保しましょう。
各居室3つのクローゼットを合わせると5帖必要となります。
クローゼット以外にも、掃除用具を収納したり、お風呂近くでタオルを置く場所、リビングで鞄や雑貨を置く場所なども少し設けると便利です。
小さめの収納を設けるとして、0.5帖を確保してみましょう。
ここまで確保した収納の広さを合わせると12.5帖です。
特別な収納は確保していませんが、収納率は約20%。30坪の住宅の目安である9帖の収納スペースを3.5帖もオーバーしています。
坪単価60万円の住宅メーカーで施工したとしたら、1坪2帖程度なので90万円が費用として掛かることになります。
なんとなくで欲しい分だけ収納を作ってしまうと、費用アップや居住スペースへの我慢につながるので、床面積に対して必要な広さを考えつつ、優先順位をつけて検討していきましょう。
今回の記事では、「収納率から考える間取り」や「収納の広さ」について解説しました。
収納率が絶対というわけではありませんが、収納率を目安にするとマイホームに必要な収納の広さを考えやすいので、参考に検討してみるのがおすすめです。
収納の広さだけでなく、使い勝手も一緒に考えてみると満足のいく間取りが実現できますよ。
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