2024.08.10
エコジョーズといえば、給湯器の中でも「ガス代が安くなる」というイメージがありますよね。
「でも光熱費を抑えるなら『エコキュート』もあるけど、いったいどうちがうの?」と疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、エコジョーズが「省エネ」の理由や、意外と知られていない「デメリット」についても解説します。
エコキュートと比較して給湯器を選ぶポイントや、お得な補助金についてもご紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてください。
目次
「エコジョーズ」とは、少ないガス量でお湯を沸かす「省エネ性の高い給湯器」のことをいいます。
しくみとしては、水をまず水を二次熱交換器で「排気熱」によって温め、さらに「一次熱交換器」でガスによって加熱します。
「排気熱」は「一次熱交換器」でガスを燃焼させたときに生じる熱のことです。
通常200℃近くなる高温の排気熱を無駄なく使うので、効率良くお湯を沸かすことができます。
【エコジョーズのイメージ図】
お風呂の湯沸かし機能には「オートタイプ」と「フルオートタイプ」が選べます。
オートタイプは自動でお湯張りをし、フルオートはさらにお湯張りした後の温度を自動で保つ機能です。
またガスの浴室乾燥暖房機や温水床暖房など、熱源としても利用できる暖房機能タイプもあります。
高効率で省エネ効果の高い「エコジョーズ」。その具体的なメリットについて、さらに見ていきましょう。
エコジューズは、従来のガス給湯器よりも、CO2の排出量を約15%も削減できます。
温暖化となる二酸化炭素を減らせるので、地球環境に優しいのが特徴です。
ガスの使用量が少なくなるので、毎月支払う光熱費も安くなります。
たとえば年間のガス代が、これまでの給湯器だと「約9万円前後」だった場合、エコジョーズなら「7、8万円前後」まで抑えられることに(CO2排出量15%削減の場合)。
また経済産業省によると、各家庭で消費されるエネルギー量は、エアコンなどの「動力・照明」に次いで、「給湯」が1/4を占めているとの報告もあります。
つまり、エネルギー効率の良い給湯器を選べば、家計全体を見ても、負担を軽くすることができます。
参照:令和5年度エネルギーに関する年次報告 (エネルギー白書2024)第2部 第1章 国内エネルギー動向 より(経済産業省)
エコジョーズは高効率でありながら「初期費用を抑えられる」のが、大きなメリットといえるでしょう。
種類や容量にもよりますが、ほかの機器よりも半分以下の金額で購入できるものも。
以下はエコジョーズや、代表的な高効率給湯器の一覧です。
名称 | タイプ | 仕組み | 初期費用相場 ※設置費用込 |
エコジョーズ (ガス給湯器) | 循環型 | ガスの排熱を利用してお湯をつくる | 20~40万 |
エコキュート (電気給湯器) | 貯湯型 | 電気(ヒートポンプ)でお湯をつくる | 40~70万 |
エネファーム (家庭用燃料電池) | 貯湯型 | ガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させて、発電。その熱でお湯をつくる | 170~230万 |
エコワン (ハイブリット給湯器) | 貯湯型 | 電気とガスでお湯をつくる (エコジョーズ+ヒートポンプ+貯湯タンク) | 50~90万 |
一覧で見ると、ほかの機器はかなり費用がかかることがわかります。
しかし用途や目的によって、給湯器の選び方は異なりますので、それぞれの特徴をよく理解した上で決めるようにしましょう。
エコジョーズにはメリットがある一方で、デメリットもあります。後悔しないためにもしっかりと確認しておきましょう。
いくらほかの高効率給湯器よりも安く購入できるとはいっても、やはり初期投資はかかります。
一般のガス給湯器に比べると、本体価格は数万~数十万ほど高い傾向にあります。
しかしエコジョーズの魅力は、月々の光熱費を抑えられるので、長い目で見れば、元を取ることは可能です。
エコジョーズはガスと排気熱を利用してお湯をつくります。(エコジョーズイメージ図参照)
それと同時に約200度の高温となる排気は、急激に温度が下がるため、水蒸気が発生します。
それらが凝結すると、ガスを含んだ水滴になりますが、そのまま排水してしまうと環境に影響が出てしまいます。
そこでこの凝結水(ドレン水)を中和し、排水処理するための「ドレン管」が必要に。
エコジョーズを設置する際には、ドレン管の排水工事が別途かかることを考慮しておきましょう。
先述しましたが、エコジョーズは排気熱を利用する際に、ガスを含んだ凝結水が発生します。
しかしそのまま排出してしまうと、環境に悪影響を与えてしまう可能性があります。
そこで、エコジョーズ内には排水処理用の「中和器」と呼ばれる部品が搭載されています。
この中和器に通すことで、安全に排水までが行えます。
ただ中和機能は一般的に給湯器の運転の約10年とされているため、それを超えてしまうと、必ず交換が必要になります。
また給湯器自体の寿命も10年から15年と言われています。
以下のような症状が出始めたら、故障が原因かもしれませんので、早めに修理・交換しておきましょう。
エコジョーズの最大のデメリットは、「地震などによる『停電』や『断水』があったときに、使えない」ことではないでしょうか。
ほかの高効率給湯器は、貯湯タンクにある水を非常用としての利用や、発電機能を利用して、一時的に給湯機能を復活させられるものもあります。
しかし、エコジョーズは水を循環させてお湯をつくるので、貯湯タンクはありません。
また本体を稼働させるには電気が必要なため、停電してしまうとエコジョーズも停止してしまいます。
そのため、災害時には別で対策を練る必要があり、その点でいえばエコジョーズは不利といえるでしょう。
これまでエコジョーズの特徴を伝える中で、いくつかの「高効率給湯器」についても触れてきました。給湯器選びは、用途や目的によって検討することが大切です。ここではオール電化でよく採用される「エコキュート」と比較し、それぞれ選ぶポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
エコジョーズは一般的なガス給湯器に比べると高額ですが、ほかの高効率給湯器よりは購入費用を抑えられます。
できるだけ最初にかかる費用を抑えたいなら、エコジョーズを選択されるのがよいでしょう。
エコジョーズはガスを使うため、キッチンのコンロや室内の暖房など、ガスを頻繁に使う人向きといえます。
エコジョーズは熱効率の良さから、ガスの消費量が少なくすむため、ガス代を抑えたい人に向いています。
とくに都市ガスよりもガス料金が高い、プロパンガスのご家庭にはメリットが大きいといえます。
エコジョーズは水を循環させてお湯をつくるので、貯湯式のように湯 切れなどの心配はいりません。
家族の人数が多いなど、お湯をよく使うご家庭でも安心して使えます。
ほかの給湯器に比べてコンパクトな設計なのも特徴であり、設置スペースが限られている場合にも適しています。
エコキュートは深夜の電力を使ってお湯を沸かすので、オール電化や深夜帯の料金が安い電力プランを採用されるご家庭向きといえます。
エコキュートの購入費はエコジョーズよりも高額の傾向がありますが、ランニングコストはかなり抑えられます。
たとえばお住まいの地域やプランにもよりますが、お湯を沸かす夜間の1kWhあたりの電気料金は、日中の半額以下になることも。
さらに高効率なヒートポンプ技術※により、1/3の電力でお湯を作れます。
※大気中の熱をヒートポンプに取り込み、自然冷媒に吸収した熱を圧縮し、さらに高温にして水を温める
エコキュートは貯湯タンクにお湯をためておけるので、もし災害で断水、停電しても、非常用として使えるのもメリット。
タンク内からお湯や水を取り出すことも可能です(ただし高温のお湯が出ることもあるので注意が必要)。
エコキュートは貯湯タイプのため、一定量の使用を超えると、お湯が出なくなる可能性があります。
家族4人であれば、タンク容量を370Lあれば十分ですが、家族が多い場合や、1日に何度もシャワーを使うなど、お湯をよく使う場合は注意しましょう。
エコキュートはヒートポンプユニットとタンクユニットを置くスペースが必要になります。
またヒートポンプは外気を取り入れて熱を作るため、周囲には十分な通風スペースも必要に。
具体的なスペースはメーカーやモデルによって異なるため、設置場所に不安がある場合は、施工業者と相談するようにしましょう。
性能の良い家は、国からの補助金対象にもなります。うまく使えばエコジョーズを含む、家の費用を抑えることができますよ。今回は以下の2つについてご紹介します。どちらも「省エネ性」が基準の一つとなりますので、高効率給湯器の設置は有利となります。ただし、補助金の併用はできませんので、各ご家庭に最適な方はどれか、チェックしておきましょう。
子育てエコホーム支援事業は、申請時点に18歳未満の子供がいる「子育て世帯」や、申請時点に夫婦のいずれかが39歳以下である「若者夫婦世帯」が受けられる補助金制度です。
新築の注文住宅や分譲住宅を購入する場合、補助金は以下のようになります。
耐震性、耐久性、省エネなど、住宅の品質を長期間良好に保てる住宅
・1住戸につき100万円
(ただし、以下の①かつ②に該当する区域に立地している住宅 については、原則、補助額を50万円/戸)
①市街化調整区域
②土砂災害警戒区域、浸水想定区域(洪水浸水想定区域、高潮浸水想定区域における浸水想定高さ3m以上の区域をいう。)
太陽光パネルなどを利用して、エネルギーをシステムを導入した住宅。(省エネや断熱性の高さも基準となる)
・1住戸につき80万円
(ただし、以下の①かつ②に該当する区域に立地している住宅につ いては、原則、補助額を40万円/戸)
①市街化調整区域
②土砂災害警戒区域、浸水想定区域(洪水浸水想定区域、高潮浸水想定区域における浸水想定高さ3m以上の区域をいう。)
一次エネルギー消費量が正味でゼロとなることを目指した住宅(ZEH)と、さらに太陽光発電等の自家消費拡大を目指した住宅(ZEH+)が対象の補助金制度です。
対象者に制限がないため、子育てエコ事業補助金対象者でない人も受けられます。
今回の記事では、エコジョーズが「お得」な理由や、「デメリット」について解説しました。
エコジョーズはエネルギーを効率良く使うことで、ガス代を抑えられます。
ガスを多く使うご家庭なら、メリットは大きいでしょう。
しかし、設置時にはドレン管の排水工事、約10年後には中和器の交換といったメンテナンスが必要です。
またランニングコストで比較するなら、断然エコキュートのほうが安くなります。
オール電化にされる場合や、光熱費をさらに抑えたいなら、エコキュートのほうがよいでしょう。
また今回ご紹介した補助金制度は、省エネ性の高い住宅であることが、条件のひとつでもあります。
もし利用するなら、家の性能への豊富な知識や実績のある施工業者を選ぶことが大切です。
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