COLUMN コラム
ローコスト住宅は建築費用を抑えながら家が建てられることが魅力ですが、「おしゃれな家は難しいかも」と考える人もいるかもしれません。
確かに、費用をかければデザインや間取りにこだわれますが、さまざまな工夫を凝らせば、ローコスト住宅でもデザイン性の高い家は建てられます。
そこで今回は、コストを上手に抑えながら実現できるおしゃれな間取りについて、実例を交えながらご紹介します。
さらに、ローコスト住宅で家を建てる際の注意点についても詳しく解説しますので、せひ参考にしてください。
ローコスト住宅とは

ローコスト住宅とは、建築コストを抑えながらも一定の品質を保った住宅のことです。
注文住宅の一つではありますが、間取りや形状を規格化し、仕入れや工程を効率的に行うことで価格を抑える工夫がなされています。
大手ハウスメーカーよりも、地域密着型の工務店や、ローコスト専門の建築会社が手掛けることが多く、予算に限りがある子育て世帯や若年層から人気を集めています。
ローコスト住宅の設備や仕様は、コストを抑えるために、シンプルなものが多い傾向にあります。
しかし、コストをかける部分と抑える部分のバランスを工夫すれば、自分らしいおしゃれな住まいをつくることも可能です。
おしゃれな間取りのアイディア

前述したように、ローコスト住宅でも工夫次第で、おしゃれな空間を演出できます。
例えば、外構やLDKなど、家の印象を左右する場所に「見せ場」を作ることで、全体の印象はぐっと洗練されます。
ここでは実例を交えながら、場所別に見るおしゃれなアイディアをご紹介します。ぜひマイホームを購入する際の参考にして下さい。
①外構
外構は「家の顔」とも言われる部分であり、家全体の印象を大きく左右します。
特に、玄関周りや外と中をつなぐ庭は、おしゃれに見せる「見せ場」を作りやすい場所です。
・シンボルツリーを植える

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シンボルツリーとは、家のシンボルとなる植栽のことです。
玄関周りにシンボルツリーを取り入れると、家全体が柔らかい印象になります。
特に、樹形の美しいオリーブやシマトネリコは人気があります。葉が落ちにくいものや、手入れがしやすい低木を選ぶのがおすすめです。
・ウッドデッキ

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ウッドデッキは、屋内と屋外をつなぐ中間的な場所として人気があります。
例えば、休日に家族で食事を楽しんだり、子どもが外で遊ぶ場として活用したり、暮らしの楽しみが広がります。
ウッドデッキは素材や広さによってコストを調整できるため、ローコスト住宅でも取り入れやすいのが魅力です。
ナチュラルな木の質感は家の外観に温かみを加え、家全体のデザイン性を高める要素にもなります。
・中庭をつくる
中庭は、開放感とプライバシーを両立させた魅力的な間取りの一つで、中庭を囲むようにリビングやキッチンを配置する間取りも人気です。
生活空間の一部に自然の風景を取り込むことで、季節の移ろいや癒しを感じる存在となりますとなります。
中庭は壁や屋根の増設費用や排水工事が必要なため、建築コストは高くなる傾向にありますが、工夫次第では費用を抑えることも可能です。
例えば、家の形状がL字型の間取りは、コの字型やロの字型に比べ、外壁や建築面積が少ないため、コストを抑えることができます。
さらに、フェンスで目隠しすれば、プライベート感を確保できます。
全面には、高価なタイルやコンクリートを使わずに、砂利や芝生を敷いても十分に中庭らしさを演出できます。
また、シンボルツリーを植えて屋外用の照明を設置すれば、夜の雰囲気もぐっと印象が良くなりおすすめです。
②外観
家の外観は主に屋根や外壁、玄関ドアや窓によって構成されます。最も印象に残りやすいのは外壁ですが、外観デザインにおいて玄関周りや窓も重要な役割を果たします。
・シンプル&統一感のある外壁

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ローコスト住宅ではコストを抑えるために、サイディングが多く使用されます。
サイディングには、豊富な種類のテクスチャーやカラーバリエーションがあり、外観をあか抜けた印象にするには、異なる素材や色をアクセントとして使うと効果的です。
例えば、ベースを白色系統で統一し、玄関周りを木目調やグレー(ベースと対比する色)のアクセントを加えるのもおすすめです。
・大きな窓や横長の窓で抜け感を演出
正面から見える窓の形状にもこだわると、おしゃれ度は一段とアップします。
例えば、縦長の窓を並べたり、横の長いスリット窓を配置すると、スタイリッシュな印象に。
また、正方形の大きな窓は、大胆なデザインを印象付けるものとなり、外観のシンボルにもなります。
・玄関周りに個性を出す

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おしゃれな外観にするなら、ぜひ玄関周りも意識しましょう。
玄関ドアやアプローチ部分にタイルや木材を使って、ちょっとしたアクセントを加えるのもおすすめ。
ロックガーデン風にシンボルツリーの周りに積み石を置いたり、ナチュラルな雰囲気に合わせて、レンガで花壇を作ったり、外観のイメージに合わせて個性を出すとバランスが良くなります。
③リビング
家族が集まるリビングは、マイホームの中でも最もこだわりたい場所です。心地よさは大切にしつつ、間取りやデザインでおしゃれに見せる工夫はさまざまです。ここではその一部をご紹介します。
・吹抜け

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吹抜けは、天井が高くなることで視線が縦に抜けることで開放感を演出できるデザインです。
自然光もたっぷり入るため、明るく心地よい空間が作れます。
ただし、吹抜けは建築コストがかかるため、ローコスト住宅の場合には、リビングの一部分を吹き抜けにするという方法も。
吹き抜けの面積を少なくすることで建築コストを抑えられるだけでなく、さらには冷暖房効率にも大きな影響を受けずに済みます。
さらに、断熱性能が高い仕様であれば、光熱費削減も期待できます。
・リビング階段

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リビング階段とは、リビングの中に階段を設ける間取りのことで、家族が自然と顔を合わせやすく、子育て世帯には特に人気があります。
おしゃれに見せるポイントとしては、階段のデザインや素材選びにこだわることです。
スチールや木を組み合わせたスリップ階段は、抜け感が出て開放的な印象になります。
さらに機能性を持たせるなら、階段下に収納スペースやスタディーコーナーを設けるのもおすすめです。
・スキップフロア

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スキップフロアとは、床の高さに段差をつけて空間をゆるやかに区切る間取りです。
壁で仕切きるよりも開放的で、立体感のあるおしゃれな印象になります。
例えば、リビングを一段下げて「おこもり感」を演出したり、段差部分を収納やキッズスペースに活用したりさまざまな使い方ができます。
構造上の制約や費用が多少かかるといったデメリットもありますが、ローコスト住宅でも取り入れることは可能です。
ぜひ、アイディアの一つとして覚えておきましょう。
・下がり天井+間接照明

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キッチンやダイニング、リビングや寝室など天井を、部分的に下げることで空間を区切る下がり天井も人気のデザインです。
下がり天井の内側に間接照明を仕込むと 、柔らかい光が空間を包み込み、落ち着いた印象に。
空間に変化が付き、おしゃれな雰囲気が一層際立たされます。
照明の色味(昼白色や電球色など)や調光などにもこだわると、昼夜での雰囲気に変化をつけることも可能です。
ただし、間接照明は後から設置が難しいケースが多いので、設計段階でしっかり計画しておきましょう。
・天井や壁にアクセントをつける

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天井や壁の一部分に、色や素材の異なるものを使う方法で、ローコスト住宅でも取り入れやすく、手軽で効果的なアイディアの一つです。
例えば、リビングのテレビ背面だけを木目調クロス(壁紙)にしてナチュラル感を出したり、濃いグレーにして空間に奥行きを出したり、アレンジはさまざまです。
また、従来は天井と壁は同じクロス(壁紙)を使用するのが主流でしたが、最近では天井に木目やカラーを使用するデザインも増えてきています。
クロス(壁紙)には、タイル調や、コンクリート調など素材感を楽しめるデザインが豊富にあるのがメリット。
中には追加費用が生じるものもありますが、範囲を絞れば最小限のコストで印象に残る空間が作れます。
④洗面
洗面所は毎日使うからこそ、機能性とデザイン性のバランスが大切です。造作したカウンターや鏡、洗面ボウルなどに工夫を凝らすことで、生活感を抑えたおしゃれな空間が実現できます
・造作カウンターや鏡

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洗面台を造作にすると、空間の雰囲気に合ったおしゃれな洗面スペースが作れます。
また、既製品に比べて自由度が高いため、素材や収納方法にもこだわれるのが特徴です。
例えば、木製のカウンターに陶器ボウルを組み合わせて、鏡を壁に取り付ければカフェのようなスペースに。
かごやワゴンを利用して、収納もカスタマイズできます。
その他にも、鏡の後ろに間接照明を仕込んだり、タイルやアクセントクロスを部分使いしたりすれば、より洗練された雰囲気を演出できます。
⑤キッチン
キッチンも機能性とデザイン性との両立は、ぜひ意識したいところ。キッチンを構成する部分に、「見た目と使いやすさ」に重点を置いて選ぶことがポイントです。
・アイランドキッチン

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開放感のあるおしゃれなキッチンといえば、やはり「アイランドキッチン」でしょう。
壁から独立した島のようなキッチンは、そのデザイン性だけでなく、家族とのコミュニケーションも自然と増えるのが魅力でもあります。
また、料理の配膳や食後の片付けもスムーズに行えるのもメリットの一つです。
ローコスト住宅では、完全なアイランド型ではなく「ペニンシュラ型」もおすすめです。
ペニンシュラキッチンは、片側が壁に接しているため、アイランド型のような開放感が得られつつも、費用を抑えられます。
・背面収納

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キッチンのデザイン性を高めるためには、収納も重要なポイントです。
いくらおしゃれなキッチンでも、生活感が見えてしまうと残念な印象になってしまいます。
キッチンの背面収納は、使いやすさと見た目の整えやすさが大事です。
「見せる収納」と「隠す収納」とのバランスを上手く生かせば、便利でおしゃれなキッチンが目指せます。
例えば、よく使うものは、見せる収納としてすぐに取り出しやすい位置に収納し、普段あまり使わないものや、生活感が見える家電製品は扉付きの収納に隠してしまうのも一つの方法です。
また、カウンターや棚だけ設置しておき、後から市販の収納家具を組み合わせれば、費用押さえながら自分たちが使いやすい収納に仕上げることも可能です。
・ペンダントライト

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天井から吊るすタイプのペンダントライトは、インテリアのポイントになりやすく、キッチンやダイニングによく使用されます。
照明器具一つで雰囲気を簡単に変えることができるので、ローコスト住宅でも気軽に取り入れやすいアイテムです。
例えばカフェ風ならガラスのシェード、北欧風なら木目素材などインテリアのテイストに合わせて素材を選んだり、また複数個を並べてリズムを付けたりといった方法もあります。
照明器具はリーズナブルな物も多いので、低予算でも十分におしゃれに仕上げられます。
また、ダクトレールと組み合わせれば、配置の自由度も上がり、将来的な模様替えも手軽に行えます。
⑥ビルトインガレージ

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ビルトインガレージは、車を雨風から守れるだけでなく、外観デザインのアクセントにもなります。
例えば、シャッターの素材や色で、スタイリッシュな印象に仕上げることが可能です。
その他にも、雨の日の荷物運びや子どもの乗り降りもスムーズに行えるといったメリットも。
またアウトドア用品などの収納スペースやDIYスペースなど、趣味や暮らしの幅を広げてくれる場所でもあります。
居住スペースの一部分にガレージを設ける間取りは、柱や梁の補強が必要なため、建築コストが上がる場合があります。
しかし、ガレージと居室スペースを分けて設計すれば、ローコスト住宅で取り入れることは可能です。
ローコスト住宅で家を建てる時に注意点

これまで、さまざまなアイディアをご紹介しましたが、満足度の高い家づくりにするには、デザイン性だけでなく、価格とのバランスが大切です。
あらかじめ「何を重視するのか」を整理し、自分たちの暮らしに本当に必要な物を見極めた上で選ぶようにしましょう。
優先順位を決める
ローコスト住宅では、こだわりのすべてにお金をかけて取り入れることは難しいため、家族にとって「何が一番大事か」を明確にしておくことが重要です。
例えば、「開放感のある間取りを最優先にしたい」「外観デザインを重視したい」など、たくさんの希望があるはず。
その中でも、「譲れない部分」と「妥協できる部分」を整理しておくと、予算内で満足できる家づくりが実現しやすくなります。
標準仕様が希望とマッチしている会社を選ぶ
ローコスト住宅は標準仕様に基づいた価格設定がされています。
標準仕様とは、あらかじめ家の本体価格に含まれている、設備や素材など基本的な仕様のことです。
標準仕様はハウスメーカーや商品のグレードによって異なり、自分たちが希望するものと大きなズレがあると、後で「追加費用が多くかかった」ということにもなりがちです。
そういった失敗を避けるためには、事前にカタログや仕様書をしっかりチェックし、自分たちの理想に近い会社を選ぶことが大切です。
断熱性や耐震性も重視する
満足の高い家は、見た目や価格だけではありません。長く住み続けるためには、「断熱性」や「耐震性」も必要です。
断熱性の高い家は、室内にいても暑さや寒さのストレスが少なく、年中快適に過ごせるのが魅力です。光熱費も抑えられ、省エネにもつながります。
また、耐震性は地震に対する備えとして非常に重要です。多少のコストアップがあっても、快適性や将来の安心を考慮することは、賢明な選択と言えます。
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まとめ
今回の記事では、これから家づくりを始める人向けに、ローコスト住宅でおしゃれな家を建てるアイディアや、家づくりの際の注意点について解説しました。
さまざまなアイディアをお伝えしましたが、おしゃれな家にするポイントは、「空間の抜け感や光の入り方を意識する」「デザインだけでなく、素材感を大事にする」ことが成功のカギとなります。
グッドリビングでは静岡県や愛知県を中心に、「いい家をより安く」の姿勢で、より良い住まいを追求・提供し続けてきました。
断熱性能はもちろん、耐震性の優れた家が予算内で建てられるプランを、多数ご用意しています。
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監修者情報
グッドリビング広報部

累計12000棟以上の実績があるグッドリビングが、WEBサイト上の情報をまとめただけの簡易的な記事でなく、実際のお客様とのコミュニケーションの中である悩みや疑問をテーマにしています。真剣に新築注文住宅を検討している読者に役立つ、価値ある中身の濃い情報をお届けしています。